上越市議会 市長交代で会派再編 新市政との距離感焦点

 上越市議会(定数32)の会派が大きく再編された。市長交代や選挙を経て、議員の政治的な立ち位置や方向、新市政との距離感やスタンスなどをめぐり、会派の変更、解散、結成が行われた。

 9日現在、最大会派だった「みらい」から1人が抜け、旧「輝」と旧「市民クラブ」のメンバーを中心に発足した「政新クラブ」と合わせ、2会派が7人で並び最大会派に。新しく保守系の「久比岐野」が結成され、旧「輝」や創風、みらいから各1人、無所属だった議員や新人議員が入り6人に。「創風」は1人減って、5人となった。

 共産党と公明党は変わらずに3人、2人。宮越馨氏は無所属のまま、会派に属さない。議長の飯塚義隆氏も無所属。

 会派再編をめぐってはあるベテラン議員が「こんな大きな動きは初めて」という駆け引きや離合集散を繰り返した。

 市長選では、中川幹太氏と対した野澤朗氏に市議全体の8割近くとなる24人が付き応援した。中川市政となり、これまでの村山市政時の与党会派の距離感が注目されるが、「是々非々」「様子見」などと、まだ旗幟(きし)を鮮明にしていない会派や議員がほとんど。今月30日に開会する市議会12月定例会での提案内容や説明を見てから判断する模様だ。

 中川市長も「議会とけんかをするつもりはない。上越市のためにご協力いただける方を増やし、信頼関係を持ちながら進んでいきたい」と話している。

 各会派代表の会派再編や新市長への見解は次の通り。

 みらい・石田裕一代表 市議会の中でいろいろと動きがあったが、まとまってやっていかなければならないとあらためて思う。まずは様子を見て、良いものは良い、悪いものは悪いというスタンスで臨む。公約について今一度チェックする。

 政新クラブ・栗田英明代表 村山市政から新たに中川市政となったことで、私どもも新しい体制が必要と考えた。是々非々の姿勢で臨む。特に、4人の副市長制に関心がある。人選の前に、制度としてそうする必要性をしっかりと聞きたい。

 久比岐野・橋本洋一代表 同じような立ち位置、方向、政治活動をやっている議員が一緒になった。保守系の会派。新市長とは対決はしない。市民が選んだ市長であり、対決したら困るのは市民。是々非々で臨む。

 創風・武藤正信代表 保革やイデオロギーの違いがあってもくっ付いたり離れたり、数合わせで動くのはどうなのか。新市長とはまずは様子見。どういう考えで政策を出すのか見えない。12月議会で見極めたい。

 日本共産党議員団・橋爪法一団長 是々非々で臨む。応援すべきはして、市民の立場に立っておかしいなと思ったら反対する。原発や病院再編問題の対応は、われわれと近いと言ってくれているので、大いに期待している。

 公明党・山田忠晴代表 市民目線でどうやっていくのかしっかりと見ていきたい。市民のためになる政策は賛成する。前市長と変わらない形で、われわれの主張や要望はこれまで通り伝えていく。

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