元なでしこ森田有加里さん「怒らない指導」で初勝利 創部1年目の三浦学苑高女子サッカー部

練習中、選手たちに指示を出す森田監督=三浦学苑高

 女子サッカーのノジマステラ神奈川相模原を昨年引退した森田有加里さん(24)が、三浦学苑高校(神奈川県横須賀市衣笠栄町)の女子サッカー部監督に就任した。創部間もなく部員も11人に届かない中、既に公式戦で初勝利を挙げた。「一年でも早く全国大会出場を」と指導に励んでいる。

◆「明るい性格」迷わず採用

 同校の男子サッカー部はインターハイで全国優勝したことのある強豪校。女子も創部しようと、優勝時の総監督で日体大出身の米山稔教頭(54)が同大関係者に相談した。卒業生の森田さんを紹介され、「明るい性格で、すぐに採用を決めた」(同教頭)という。

 森田監督は大阪桐蔭高校2年のときにU17の日本代表GKとなり、日体大に進学。2019年からは「なでしこリーグ1部」のノジマステラに所属した。ただ、リーグ戦の出場はなく、昨年12月に引退した。「あまり活躍できず、苦しかった」と当時の心境を語る。

 実家のある大阪に帰ろうか悩んでいた時、大学時代の監督から「高校の先生になって女子サッカー部を指導しないか」と打診があった。教育者としてサッカーに携わりたいという思いもあり、面接を受けた。

◆初勝利弾み「期待に応える」

 チームは創部1年目で認知度も低く、現在の部員は3年と2年が1人、1年が5人の計7人。それでも6月の県女子選手権では助っ人を加えて9人で出場し、11人のチームを相手に初勝利を挙げた。

 「主体性を大切に、怒らない指導」を心掛けながら、校舎前の人工芝グラウンドで練習に励む。2年の小林英奈主将(16)は「少ない人数でも楽しく練習できるよう工夫してくれる」と感謝する。

 当面の目標は部員を11人以上に増やすこと。20校が加盟する県内の高校女子サッカー界は強豪校も多いが、森田監督は「できるだけ早く期待に応えられるように頑張りたい」と選手たちを励ましている。

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