天岩戸尾神岳伝説 新たな観光の核に 周辺整備完了し式典 吉川区

 吉川区の尾神岳の麓にある大岩に伝わる伝説を、区内外に伝承しようと行われた周辺整備が完了。これを記念する見学会と式典が14日、現地とスカイトピア遊ランドで開かれた。

 伝説は神話時代までさかのぼる。天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れた時、天手力男命(あまのたぢからおのみこと)が少し開いた岩戸を力いっぱい開けると、勢いよく宙を舞った岩が二つに分かれた。そのうち大きな岩の部分が信州・戸隠山に、岩の尾の部分が同所に落ち、尾神岳の名称の由来になったとされている。

 整備は地域活動支援事業を活用し、石段や歩道の改修と草刈り、募金箱を設置。岩に紅白のしめ縄を張った。同所の長老によると、この場所でお産をしていた時代もあるといい、約40人の参加者は興味深そうに見学していた。

大岩とその言われを伝える看板を見学する参加者

 活動の中心となっている水源地域振興対策協議会の内藤潔事務局長(74)は「吉川区の観光はまず尾神から。こんな所があるんだと知ってもらい、遊ランドを核にいろんな場所を巡ってもらいたい」と話していた。

 遊ランドでの式典では、『古事記』研究家の加藤昌樹さんによる伝説と『古事記』をテーマにした記念講演や、伝説を分かりやすく伝える紙芝居のお披露目もあった。

© 株式会社上越タイムス社