在日米陸軍キャンプ座間でまたパワハラ被害 嫌がらせ放置、契約外業務を強制 女性従業員2人が労災申請

1年前にキャンプ座間正門前で行われた全駐労の抗議集会。以降もパワハラ被害などの訴えが相次いでいるという。

 在日米陸軍キャンプ座間(座間市、相模原市南区)で、日本人従業員へのパワーハラスメント問題がまた明らかになった。航空大隊所属の女性2人が同僚からのいじめを上司の軍関係者に訴えたが放置され、別の上司は基本労務契約に基づかない業務を強制。これらの苦情を申し立てたが人事当局の対応も進まず、体調の悪化で傷病休暇に追い込まれた。2人は2日までにパワハラ被害の認定などを求め、厚木労働基準監督署に労災を申請した。

 女性たちによると、約2年前に航空大隊に相次いで配属になった直後から、日本人従業員の女性から必要な通知を配布しないなどの嫌がらせや誹謗(ひぼう)中傷を受けた。上司の米軍監督者に相談したが、対応してもらえなかった。別の上司は日米合同訓練への参加など、軍人と同じ扱いによる通訳業務を強制し、労務契約外の仕事だと説明すると理不尽に叱責(しっせき)された。

 二人は今年3月、在日米陸軍司令部で労務問題を担当する人事部門に、上司2人のパワハラ行為に対する苦情申し立てを行った。調査結果が示されない中、ストレスで精神的不調に陥って4月に傷病休暇を取得、7月以降は無給になった。

 一人は回復して別の部署に10月に復職。もう一人は元の航空大隊への復帰を提示され、「パワハラ問題が解決しておらず不安」と人事対応を疑問視している。

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