〈師走点描・水ようかん〉冬の訪れ告げる 雪国に根差した食文化

 北陸地方ではこの時季の風物詩である「水ようかん」。上越市内の菓子店でも販売が始まり、地域住民に冬の訪れを告げている。

 大杉屋惣兵衛では例年、12月中旬から3月中旬にかけて販売する。沖縄産の黒糖、北海道産の小豆をはじめこだわりの素材で手作りする一品。水分を多めに丁寧に仕上げ、風味が良く滑らかな口溶け。あっさりした味わいの中に豊かな甘みがあり、1箱に付き1口サイズ10切入り(税込み540円)という食べやすさも魅力だ。

「今季も水ようかん始めました」とPRする宮越さん(大杉屋惣兵衛お馬出し店)

 例年、初雪とともに販売開始日について問い合わせがくるという。「冷やした水ようかんを、暖かい部屋でこたつに入りながら」がおいしい食べ方。お馬出し店のおかみ、宮越紀祢子さん(76)は「この土地に根差した素晴らしい食文化の一つ。これからも大切にしてほしいし、私たちも守り続けていきたい」と話した。

 本店(上越市本町5)、お馬出し店(同市本町3)で販売している。

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