アオスジアゲハ多く確認 横浜の児童が調査、他種は減少か

調査の中で、唯一確認率が上昇したアオスジアゲハ(横浜市環境科学研究所提供)

 横浜市立小学校の児童を“調査員”とする市環境科学研究所(同市神奈川区)の生き物調査で、南方系のチョウであるアオスジアゲハが市内の臨海都市部で多く確認されていることが分かった。一方、残る調査対象の生き物8種類全てで確認率が減少しており、百瀬英雄所長は「例年にない傾向。新型コロナの影響で観察機会が制限された可能性がある」と話している。

 調査は市内341校の5年生3万271人を対象に、昨年の夏休みに実施。スズメやカブトムシ、コウモリなど9種類の生き物について、過去1年間に家や学校の近くで見たり鳴き声を聞いたりしたかを尋ねた。調査対象は毎年変えており、今回の調査は2017年と同じ種類だった。

 その結果、アオスジアゲハのみが17年の調査結果より1ポイント上昇し、確認率は64%だった。特に西区や中区などの都市部で確認率が高く、百瀬所長は「かんきつの木に産卵する一般的なアゲハと異なり、街路樹として植栽されるクスノキやタブノキに産卵するためでは」と分析する。

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