シーズン短縮なら名バッテリーの快挙達成がピンチに 新記録まで20試合

日本時間2月16日、ナショナルズ一筋16年のライアン・ジマーマンが現役引退を表明した。ジマーマンがメジャーデビューしたのは2005年9月1日。これより前にメジャーデビューし、1つの球団でプレーを続けている選手が1人いる。カージナルスの名捕手ヤディアー・モリーナだ。今季限りでの現役引退を表明しているモリーナだが、“相棒”のアダム・ウェインライトとの通算先発バッテリーは305試合を数え、メジャー新記録まであと20試合。しかし、長引くロックアウトにより、快挙達成がピンチを迎えている。

現在39歳のモリーナは2004年6月3日にメジャーデビュー。2005年から正捕手となり、18シーズンにわたって扇の要として強豪カージナルスを支えてきた。通算2146試合に出場して2112安打、シルバースラッガー賞1度、ゴールドグラブ賞9度、プラチナグラブ賞4度、オールスター・ゲーム選出10度、ワールドシリーズ制覇2度の輝かしい実績を残し、将来のアメリカ野球殿堂入りが有力視されている。

一方のウェインライトは現在40歳。メジャーデビュー前の2003年12月にJ・D・ドリューらとのトレードの交換要員としてブレーブスからカージナルスへ移籍し、2005年9月11日にメジャーデビューを果たした。トミー・ジョン手術により2011年シーズンを全休したものの、カージナルス一筋のメジャー生活で通算184勝を記録。昨季は39歳にして17勝7敗、防御率3.05の好成績をマークした。

同時期にメジャーデビューした投手と捕手が15年以上も同じチームでプレーし続けたことにより、通算先発バッテリーは歴代4位の305試合。これより上にいるのは、タイガースのミッキー・ロリッチ&ビル・フリーハン(324試合)、ブレーブスのウォーレン・スパーン&デル・クランドール(316試合)、ホワイトソックスのレッド・フェイバー&レイ・シャーク(306試合)の3組だけである。今季20試合で先発バッテリーを組めば、この3組を抜いてメジャー新記録が誕生するのだ。

とはいえ、20試合で先発バッテリーを組むためには、両者が大きな故障をしないことに加え、少なくともレギュラーシーズンが100試合以上あることが必要となる。ロックアウトが長引いている影響で予定通りのシーズン開幕が危ぶまれているが、シーズン開幕が遅れれば遅れるほど、カージナルスの名バッテリーがメジャー新記録を樹立するチャンスは少なくなる。「今後更新されることはないかもしれない」と言われる新記録を実現させるためにも、一刻も早い労使交渉の合意が待たれる。

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