朝鮮農業、今年は1ヘクタール当たり1トン増産 〈5カ年計画2年目、専門家インタビュー〉農業委員会アン・チュンガプ責任部員

今年は朝鮮労働党第7回大会で示された国家経済発展5カ年計画の遂行2年目だ。各部門の専門家にインタビューを行った。初回は、農業委員会アン・チュンガプ責任部員に昨年の成果と教訓、今年の展望について聞いた。【平壌支局】

 ―昨年の農業部門の成果について第8期第4回総会は、「いかなる条件下でも農業を安全に営める確信を持てるようになった」と評価した。具体的な成果、教訓は?

 いつになく営農物資が不足し、災害気候が続くなど悪条件の中、農業委員会として穀物生産目標を101.1%遂行し、全国的に従来よりも穀物を増産する大きな成果を収めた。全国的に数百余の協同農場と数千余の作業班、分組、数万余の農場員が多収穫単位、多収穫農場員となった。

アン・チュンガプ責任部員(C)朝鮮新報

 畜産、野菜、蚕業、工芸作物の各部門でも一定の成果があった。生乳生産を増やして託児所、幼稚園への牛乳の供給を開始した。また田畑への潅水システム復旧し、カイコの生産性を高め、油糧作物や糖料作物の栽培面積を増やして、生産計画を超過達成した。

 ―不利な条件で増産を達成した要因は?

不利な気象条件でも豊作をもたらしたのは、的確な品種選択、地力向上に取り組み、先進的な営農方法と技術普及を積極的に行ったためだ。

 両江道甲山郡沙坪協同農場の第3作業班は海抜800メートル以上の低収穫地(もともと土地生産性が低い土地)で従来の3倍の収穫をもたらした。高地でも品種配置を正しく行い、地力を高めればいくらでも多収穫を実現できることを実証した。

 平安北道郭山郡路下協同農場では従来の栽培方法から大胆に三毛作に転換し、1ヘクタール当たり数十トンの収穫を出し、穀物生産計画を129.9%達成した。

 農業科学研究部門では育種研究を進めると同時に、先進的な営農方法を導入し、農業生産の科学化、情報化を推進した。農業委員会では科学技術普及サイトに39万件におよぶ研究成果と技術経験に関する資料を登録し、遠隔営農技術講義や気象予報情報の提供サービスを実施している。

 また、昨年は物質・技術的土台の強化にも積極的に取り組んだ。

 昨年2月の党中央委第8期第2回総会では、種子加工設備を現代化し、良質な種子を供給する方針が示された。これを受け、黄海南道では種子加工設備一式を製作して設置し、平安北道と咸鏡南道の農村経理委員会傘下の農場でも種子加工の土台をいっそう強化した。

 黄海北道の土地整理担当者らが2千余ヘクタールの農耕地を新たに整備したことをはじめ、全国的に数千ヘクタールの新たな土地を整備した。平安北道の東来江貯水池と洪建島水路をはじめ、南浦市江西区域岐陽洞の揚水場、平安南道の价川―泰成湖水路の洞窟、咸鏡南道金野郡の自然水路、黄海北道の黄州キンドゥン水路などの工事が進捗した。主要な灌漑水路と設備を補修・補強して、農業用水を安定的に保障した。

各地の農場では今年の稲作の準備に着手した。写真は黄海南道の農場(労働新聞)

 ―今年の目標は?

金正恩総書記は第8期第4回総会で社会主義農村建設の大綱を明示し、今年、すべての田畑で1ヘクタール当たり1トン以上の穀物増産をめざして穀物生産目標を必ず達成することをはじめとする農業部門の課題を示した。

 稲と小麦、麦の栽培面積を増やし、トウモロコシの栽培面積を縮小する原則に基づいて、作物構造を転換し、災害気候を克服するための技術的な対策を立てる。科学技術普及活動をいっそう活発に行い、すべての農作業が科学農業に一貫されるよう努めていく。また、農業生産の総合機械化、水利化実現のための活動も推進する。

 昨年の成果と教訓に基づいて、穀物生産目標を必ず達成できるという強い信念を持って、増産に努めていく決意だ。

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