メッツに新たな歴史 球団史上最高位の野球運営部門女性職員が誕生

球界全体の状況が変化し、様々な部門で女性登用が進められるなか、メッツは歴史的な雇用を行い、エリザベス・ベンをメジャーリーグ部門の運営ディレクターに迎えた。メッツの野球運営部門にはすでに複数の女性が在籍しているものの、ベンはそのなかで最上位の職員となり、メジャーリーグ公式サイトでメッツを担当するアンソニー・ディコーモ記者は「球団史上最上位の野球運営部門女性職員」と伝えている。これにより、球界の女性登用がまた一歩、前進することになった。

2017年にメジャーリーグ機構の職員となったベンは、同機構のフロントオフィスで若者向けのプログラムや労使関係を担当。また、2020年からは野球運営に関わる仕事にも携わってきた。トロント大学とコロンビア大学を卒業し、熱心な野球選手でもあり、2016年からニューヨーク市のメトロ・ベースボール・リーグで投手としてプレー。同リーグ史上初の女性選手となっている。

ベンはさらに、過去6年間にわたってリーマンカレッジ(ニューヨーク市立大学リーマン校)の非常勤講師も務めてきた。メッツではビリー・エプラーGMと3人のGM補佐(ブリン・アルダーソン、イアン・レバイン、ベン・ゾーズマー)らを含む野球運営部門のヒエラルキーに加わることになる。

ベンは2019年に「今はまだ、多くの女性をフロントオフィスで見かけることはないかもしれないが、今後も増え続けていくと思う」と話していたが、その言葉通りの動きが現在の球界では起こっている。2020年11月にマーリンズで史上初の女性GM(キム・アング)が誕生し、メッツも今オフ、ヤンキースのジーン・アフターマンやレッドソックスのラケル・フェレイラをGM候補として検討していた。

メッツはベンのほかにも、グレッチェン・オーコインを球団史上初の女性コーチとしてマイナーリーグで採用。ジャイアンツではメジャー史上初の女性フルタイムコーチ(アリッサ・ナッケン)、ヤンキースではメジャーリーグ傘下のマイナー球団として史上初となる女性監督(レイチェル・バルコベック)が誕生するなど、近年の球界では確かな実力を持った女性の登用が積極的に行われている。

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