MVPを受賞できなかった最高の選手たち ジーター、グウィンらが選出

メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンス記者は「MVPを1度も受賞できなかった最高の選手たち」を特集する記事を公開した。MVPを受賞するためには素晴らしい成績を残すだけでなく、タイミングも重要であり、好成績を残しながらも、それを上回る成績を残す選手がいたためにMVPを受賞できなかったケースも多い。カストロビンス記者はキャリアを通して1度もMVPを受賞できなかった選手を14人ピックアップし、ランキング形式で紹介。1位にはデレク・ジーターが選ばれた。

今回の特集記事では野手のみが対象となり、全米野球記者協会の投票によってMVPが選出されるようになった1931年より前に活躍した選手は除外されているが、その条件のもとで1位に選ばれたのがジーターだ。カストロビンス記者は「ジーターは必ずしもこのリストのなかで最高の選手ではないかもしれないが、スーパースターでも最高の個人賞を逃すことがあるという最高の例である」とコメント。MVP投票では2006年に2位、1998年と2009位には3位となったが、ジャスティン・モーノーに14ポイント差で敗れた2006年は「ジーターのほうが受賞に相応しかった」との声も多い。

2位はメル・オット。6度の本塁打王を含む通算511本塁打を放った強打者だが、MVP投票は1942年の3位が最高位だった。3位はオットを上回る通算512本塁打を記録したエディ・マシューズ。1953年にメジャー最多の47本塁打、1959年にも同じくメジャー最多の46本塁打を放ったが、前者はロイ・キャンパネラ、後者はアーニー・バンクスとの争いに敗れ、いずれもMVP投票2位に終わった。

4位には「ミスター・タイガー」ことアル・ケーラインが登場。全盛期がヤンキース黄金期と重なり、MVP投票でも1955年はヨギ・ベラに次ぐ2位、1956年はミッキー・マントルとベラに次ぐ3位、1963年はエルストン・ハワードに次ぐ2位と、ことごとくヤンキースの選手に敗れた。5位は安打製造機のトニー・グウィン。通算3000安打以上かつ500三振未満というライブボール時代では2人しかいない快挙を成し遂げている好打者だが、本塁打が少なかったこととチームが弱かったことが影響したのか、MVP投票では1984年の3位が最高位だった。

6位以下はウェイド・ボッグス、エディ・マレー、ジョニー・マイズ、マイク・ピアッツァ、オジー・スミス、マニー・ラミレス、エイドリアン・ベルトレイ、デービッド・オルティス、ジム・トーミーという顔ぶれ。なお、日本人選手では2001年にイチロー、2021年に大谷翔平がMVPを受賞している。

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