社員4000人に勇気 北京冬季五輪スノボ女子HPで銅メダル 冨田せな選手に報奨金 アパホテルから100万円 アパリゾート上越妙高で働く

 北京冬季オリンピックのスノーボード女子ハーフパイプで銅メダルを獲得した妙高市出身の冨田せな選手(22、チームアルビレックス新潟)に、アパホテル(本社・東京都港区)は2日、特別報奨金100万円を贈呈した。これまでの国際大会での活躍をたたえ、元谷芙美子社長から表彰状と特別報奨金に加え、アパ社長カレー100食が手渡された。

元谷社長から表彰状を授与される冨田せな選手

 同社によると、同選手は2018(平成30)年6月から、アルバイトや準社員としてアパリゾート上越妙高の森ゴルフコースで働き、昨年12月まで勤務を継続してきた。母の美里さん(45)も2005(平成17)年7月から現在までアパリゾート上越妙高で勤務している。

 この日は1月の冬季Xゲームで日本人女子初優勝、今季のワールドカップ同種目ランキング2位、北京五輪での同種目日本人初のメダル獲得などを表彰した。元谷社長は「冨田せな選手は数々の国際大会で活躍し、アパグループ4000人の社員に勇気を与えてくれた。心からお祝いの気持ちを伝えるとともに、今後の活躍にも期待している」と祝福した。

 同選手は「夏の間はアパリゾート上越妙高でゴルフ場とイルミネーションイベントのスタッフとして仕事をしていた。仕事が終わった後に練習に行くという大変な日々だったが、その経験が今回の表彰につながったことをうれしく感じている」と述べ、記者からの質問に対して「母には小さい頃から仕事の合間を縫って練習場への送り迎えをしてもらい、一人で行動できるようになった今、あらためて強い感謝の思いを感じている」と周囲のサポートに対する感謝の念を述べた。

◇ゴルフ場で働く利用者から人気

 アパリゾート上越妙高の森ゴルフコースの宮下直樹支配人(51)によると、せな選手はゴルフのスタート準備で早い時には午前6時30分ごろに出勤し、カートを清掃したり、ゴルフバッグを運んだり、事務作業をしたり、精力的に働いていたという。

 宮下支配人は「ゴルフをやる人は年上の方が多く、『せなちゃん、せなちゃん』と大人気だった。練習などで疲れていた日もあったと思うが、そんなそぶりを見せず真剣に働いていた」と感心し、「スタッフ全員で応援していた。また勤務してくれれば」と心待ちにしている。

昨年9月、総合学習でアパリゾート上越妙高を訪れた妙高高原南小の児童と先生、勤務時の冨田せな選手(後列右、水色のポロシャツ)(同校提供)

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