カージナルスのトップ2有望株 親友コンビが目指すメジャーの舞台

2020年1月、カージナルスとレイズのあいだで成立したトレードは、2人の有望株を同じ球団に所属させることになった。「MLBパイプライン」の球団別プロスペクト・ランキングでカージナルス1位のノーラン・ゴーマン(2018年カージナルスドラフト1巡目指名)と同2位のマシュー・リバトーア(前述のトレードでレイズから加入)だ。幼い頃からの友人であるだけでなく、AAA級メンフィスでルームメイトでもある2人は、互いに支えながらメジャーの舞台を目指している。

2018年のドラフトでそれぞれカージナルスとレイズから1巡目指名を受けたゴーマンとリバトーアは、ともにアリゾナ州フェニックスで生まれ育ち、野球を始めた頃からの友人だった。リバトーアがカージナルスに移籍してきた2020年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響でマイナーのシーズンが開催中止となったが、昨季はリバトーアがAAA級で開幕を迎え、ゴーマンも6月下旬にはAA級からAAA級へ昇格。親友コンビは再びチームメイトとしてプレーすることになり、ルームメイトにもなった。

互いの才能を認め合う両者だが、ルームメイトとして支え合っていることもそれぞれにとって大きな助けとなっているようだ。ゴーマンによると「家に帰ってからも野球について話し合うことはあったが、夜遅くまで考えすぎるようなことはなかった」という。自分たちは今どの位置にいるのか、そこから抜け出すためにはどうすればいいか、そういったことを2人で話し合うことでストレスやプレッシャーから解放された。「そうした時間は僕にとって常に貴重だった」とリバトーアは言う。

昨季、リバトーアはAAA級で22試合に登板して9勝9敗、防御率4.04、123奪三振、ゴーマンはAA級とAAA級の2階級合計で119試合に出場して打率.279、25本塁打、75打点、OPS.814を記録。両者とも今季中のメジャー昇格が確実視されており、現在行われているマイナーキャンプでは2020年ドラフト1巡目指名のジョーダン・ウォーカーとともに最も注目を集める存在となっている。

三塁が本職のゴーマンは、ノーラン・アレナドの加入により昨季から二塁の守備に挑戦しているが、「試合に臨む姿勢は変わらない。三塁手はパワーヒッターであることが望ましいけれど、その打力を二塁手として発揮できれば、より大きな戦力になるよね」とコンバートを前向きに捉えている。リバトーアも「彼が味方でいる限り、ポジションは関係ないよ。彼はフェンスまで打球を飛ばすことができるし、僕はその能力を信用しているからね」と親友の才能に全幅の信頼を寄せる。

リバトーアの移籍で2人がチームメイトとなって今季が3年目。カージナルスでは名捕手ヤディアー・モリーナが今季限りでの現役引退を表明し、1つの時代が終わりを迎えようとしているが、互いに支え合う親友コンビがナ・リーグ最多11度のワールドシリーズ制覇を誇る名門球団の未来を担っていく。

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