エンゼルスがベテラン捕手・スズキと再契約 1年175万ドルで合意

「ファンサイディッド」のロバート・マレー記者によると、エンゼルスは自軍からFAとなっていたベテラン捕手カート・スズキと1年175万ドルで再契約を結ぶことで合意したようだ。現在38歳のスズキは攻守両面で衰えが目立っているものの、昨季はエンゼルスと1年150万ドルで契約しており、昇給を勝ち取った形となる。昨季はマックス・スタッシの故障もあり、スタッシとスズキが併用されていたが、今季はスタッシが正捕手に定着し、スズキは2番手捕手としてスタッシをサポート役に回ることが予想される。

メジャー15年の実績を誇るスズキは、6度の2ケタ本塁打を含む通算139本塁打をマークし、ツインズ時代の2014年にオールスター・ゲーム選出、ナショナルズ時代の2019年にはワールドシリーズ制覇を経験しているものの、エンゼルスに加入した昨季は72試合に出場して打率.224、6本塁打、16打点、OPS.636という平凡な成績。以前から不安視されていた守備面でも守備防御点-12、10失策、盗塁阻止率18.6%と精彩を欠き、「ベースボール・リファレンス」が算出する総合指標WARはキャリアワーストの-0.4に終わった。

今オフのFA捕手市場は史上稀に見る不作で、ヤン・ゴームスやマニー・ピーニャがトップ扱いという状況だった。彼らもすでに市場から消えており、エンゼルスが捕手を補強する選択肢はほとんど残されていなかったというわけだ。すでに投手陣との関係性を築くことができている点を評価し、スズキとの再契約に動いたのだろう。マット・タイスを2番手捕手に抜擢する選択肢もあったが、メジャーでは捕手として1試合も出場しておらず、マイナーで捕手としての経験を積ませる方針だと思われる。

正捕手のスタッシは今季終了後にFAとなる。そうした事情もあり、エンゼルスは今季を昨季と同じスタッシとスズキという体制で乗り切り、タイスには次の正捕手候補としてマイナーでしっかり経験を積ませたいと考えているのかもしれない。

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