体育館で卓球中の男性倒れ呼吸停止…「絶対助けたい」すかさずAEDで救命 6日後には退院

佐藤署長(中央)から感謝状を受け取った橋本さん(左)と長野さん=大船消防署

 体育館で運動中に倒れた男性(76)の救助をしたとして大船消防署は、鎌倉市大船体育館(神奈川県鎌倉市台3丁目)を運営するコナミスポーツの社員橋本若菜さんと長野三奈子さんに感謝状を贈呈した。

 2人は昨年12月25日午前、同館で卓球をしていた男性が突然倒れたと、別の利用客から呼び掛けられ、男性の元に駆け付けた。男性は声を掛けても反応がなく、脈も呼吸もなかった。

 119番通報後、救急隊が到着する前に、自動体外式除細動器(AED)を操作し、男性の胸にパットを付けた。自動音声で「ショックが必要です」とのメッセージが流れたため、すかさずAEDを作動、電気ショックを実施した。

 今年3月29日に感謝状を贈られた橋本さんは「体育館をよく利用してくれていた方で面識もあり、絶対に助けたかった」と振り返った。男性は救急搬送され、6日後には退院、3月には2人にお礼を言いに体育館を訪れたという。

 「卓球台をどかしてくれた利用者もいて、周辺の方々の協力で助けられた」と長野さん。同署の佐藤明彦消防署長は「勇気ある行動のおかげで尊い命を救うことができた」と功績をたたえた。

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