障害者でも情熱があれば何でもできる─。藤沢市出身の相原豊さん(42)が、タイのプロフットサル2部チームでオーナー兼選手として活躍している。生まれつき左腕の手首から先がないが、夢を追い求めて国境や人種、障害を越えてきた。「高校生のうちから、なりたい自分を思い描いて」。この春、初めて母校の相洋高校(小田原市)で演壇に立ち、後輩への言葉に力を込めた。
兄の影響で小学2年生のときに地元チームでサッカーを始めた相原さん。「人生で一番努力した」と振り返るのが相洋高時代で、努力を重ねて試合に出られた達成感と自信が、今につながっているという。
高校卒業後は社会人として地域のチームでプレーし、サッカーに携わる仕事を模索しながら「サッカースクールをつくる」と目標を見定めた。そのために必要と考えたのは、「言葉に説得力を持たせるためのプロとしてのキャリア」。ただ日本国内では壁が厚く、2003年に10万円を手にタイへと旅立った。