バスケットB3・長崎ヴェルカ リーグ優勝、昇格までの道のり 得失点差は1試合平均プラス27.4点

長崎ヴェルカの今季の戦い

 参入1年目での優勝、B2自動昇格を決めた長崎ヴェルカ。この日まで計45試合の得失点差は実にプラス1234(1試合平均プラス27.4点)と、圧倒的な強さでVロードを駆け抜けた。
 開幕戦は昨年10月2日、アウェー鹿児島戦。前半こそ34-38とリードを許したが、後半に地力を発揮した。ベンチ入りメンバー12人全員がコートに立ち、最後は20点差をつけて記念の一戦を白星で飾った。
 第2節の10月9日は初のホーム戦。長崎市の県立総合体育館に1888人の観客が集まった。コロナ禍で上限があった中、チケットはほぼ完売。第7節で静岡に初黒星を喫するまで、開幕から13連勝した。
 リーグ戦以外でチーム力を示す機会もあった。B1、B2勢も出場した10月末の天皇杯全日本選手権3次ラウンド。前々回大会王者のB1渋谷から85-84で金星を挙げ、続くB1秋田にも善戦した。渋谷の伊佐監督に「B3では負けないんじゃないか」と言わせるほどの実力を披露した。
 そのB3でヴェルカと互角の勝負をしたのが、同じく新規参入組のA千葉。初対決となった第12節の12月25日、83-91で敗れて首位の座を明け渡した。26日の2戦目に雪辱して首位を奪い返したが、簡単に優勝、昇格はできないということを認識させられた。
 1~3月はコロナ禍で試合中止が相次ぎ、ヴェルカも8試合がなくなった。この試合勘が鈍りそうな中でも、チームは順調に白星を重ねた。際立ったのは第26節の4月2日、ホームでの山口戦。Bリーグ記録となる148得点で大勝した。これで連勝を19に伸ばし、第27節の4月9、10日、アウェーでのA千葉戦に臨んだ。
 だが、ここでもライバルは強かった。2試合計6千人超のファンが詰め掛けた中、結果はまたも1勝1敗。伊藤監督は「チームの強化も試合の演出もB1レベルだった」と好敵手との充実した戦いを総括した。
 A千葉とは星を分け合ったが、ヴェルカの勢いは止まらなかった。続くホームのアイシン戦で連勝してマジックは「1」に。迎えたこの日、アウェーで岩手を倒して優勝を決めた。次のステージでも十分に戦える力を示したシーズンだった。


© 株式会社長崎新聞社