救助協力で感謝状 上越海上保安署 堀口尚裕さん・科澤亮一さんに

 上越市の直江津港内で4月に起きたプレジャーボートの転覆事故で乗員の救助に尽力したとして、上越海上保安署は9日、同市遊光寺浜の消防職員、堀口尚裕さん(36)と頸城区手島の無職、科澤亮一さん(68)に感謝状を贈呈した。

感謝状を授与された堀口さん(中央右)と科澤さん(同左)。救助活動後に互いが親族同士だと気付いたと、会話が弾む場面もあった

 4月22日午前10時9分ごろ、直江津港内の上越火力発電所岸壁から約50メートルの地点でプレジャーボートが転覆、男性2人が海に転落した。ミニボートで釣りに来ていた堀口さんが発見。自分のボートが小さいため、近くにプレジャーボートで釣りに来ていた科澤さんに助けを求めた。科澤さんは桟橋の柱につかまっていた1人を救助、ボートにしがみついていたもう1人は上越海上保安署が救助した。

 授与式は上越市港町1の直江津港湾合同庁舎で行われた。堀口さんは「何としても助けようと思った」。科澤さんは「10年ほど前にも、近くの船と協力して人を助けたことがある。今回は水を吸った服が重たかったけれど、何とか助けられた」と振り返った。

 同署の青木弘市署長(58)は「事故当時の水温は12度と、1時間で意識を失う冷たさ。転落から30分という迅速な救助には感謝しかない」とたたえた。

 同署管内では4月28日に柿崎区で漁船が転覆して男性が亡くなるなど、県内で同様の水難事故が多発しているという。青木署長は出航前の天候見極めやライフジャケットに防水電話などの準備、速やかな118番通報など事故への注意を呼び掛けた。

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