神に感謝 伊勢原・大山阿夫利神社 秋の訪れ告げる例大祭

険しい山道を下る「お下り」を行う神職ら(27日、伊勢原市提供)

 夏山の無事を感謝し、秋の訪れを告げる「秋季例大祭」が27日から29日にかけて、大山阿夫利神社(伊勢原市大山)周辺で行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年連続の縮小開催・人数制限となり、厳かに執り行われた。

 同神社によると、秋季例大祭は明治期に始まったとされ、夏山(7月27日~8月17日)の無事を神々に感謝し、秋の実りが豊かとなる事を祈る行事。例年、同神社下社から神輿(みこし)を担いで男坂を下る「お下(くだ)り」と、社務局の行在所から下社までのぼる「お上り」が行われている。

 初日の27日は、午前9時半ごろに秋季例大祭保存会として活動する「阿夫利睦」の役員と神職ら約15人が列を成して下社を出発。神輿ではなく、ご神体を納めた「唐櫃(からびつ)」を担いで山道をゆっくりと下った。最終日の29日は午後1時ごろ、行在所を出発した一行がこま参道を練り歩き、大山ケーブルカーに載せる形で下社まで運び全行程を終えた。

 目黒仁宮司(69)は「皆さまの協力で伝統を継続できた。一日も早いコロナの収束を願うとともに、伝統を守る上で来年こそは平常の例大祭を行えたらと思う」と話した。

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