JR真鶴駅前の景観守り60年 町立真鶴中が国交相表彰 コロナ禍で中断も再開予定

約60年の駅前清掃活動が評価された真鶴中学校の生徒たち=21日、真鶴町真鶴

 今年開業100周年を迎えるJR真鶴駅前を約60年間清掃している神奈川県真鶴町立真鶴中学校が、本年度の国土交通大臣表彰を受賞した。「真鶴を美しい町に」と生徒が始めた活動が、後輩らへ受け継がれてきた。新型コロナウイルス禍で中断しているものの、「みんなが駅前を気持ちよく使えるように」と来年にも再開予定だ。

 1961年に同校が社会福祉教育研究指定校になったことをきっかけに、当時の在校生らが「ふるさとに貢献したい」と奉仕活動をスタート。近年は月1回、駅前などで、ごみ拾いや掃き掃除を行っていた。

 同校出身の市川麻美校長(56)は「みんなで進んで掃除することが日常になっていた」と自身の中学時代を振り返り、赤沢聡駅長は「町のために思いを持って継続されている素晴らしい取り組み」と感謝する。

 ただコロナ禍が長引き、現在の全校生徒102人は、まだ清掃活動を一度も経験できていない。市川校長は今月21日、長年受け継がれてきた活動の趣旨を生徒たちに説明し、生徒会長の松本心梅さん(14)=2年=に賞状と盾を手渡した。

 松本さんは「通勤、通学などで駅を使う人が元気な気持ちになれるよう、きれいで明るい駅前づくりに貢献していきたい」と活動再開に意欲を見せている。

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