初代所長・川辺弁護士、後進にバトン託す 第2代所長に備酒貴也弁護士が着任 糸魚川ひまわり基金法律事務所「引継ぎ式」

 糸魚川ひまわり基金法律事務所「引継ぎ式」(県弁護士会主催)が5日、同市大町1のヒスイ王国館で開かれた。関係者ら約70人が出席し、初代所長として4年間の任期を満了した川辺雄太弁護士(35)の労をねぎらい、今後の活躍を祈願。後進として着任した第2代所長・備酒貴也弁護士(31)を歓迎、激励した。

記者会見であいさつする備酒弁護士(中央右)と川辺弁護士(同左)

 同事務所は2018年11月1日、日本弁護士連合会が弁護士過疎・偏在対策を行うことを目的に2000年に設置した「ひまわり基金」を基に、同連合会、関東弁護士連合会の支援を受け県内5番目・全国119番目の公設法律事務所として発足した。5日現在、県内のひまわり基金法律事務所は糸魚川と村上の2カ所。
 10月31日付で退任した川辺弁護士は、同事務所の開設に合わせて着任した。前身に当たる糸魚川きぼう法律事務所で15年2月から第2代所長を務めた小出薫弁護士が、同市内で他の任務に当たることとなり、新たな形態で引き継いだ。以後4年間、地域密着で務めた。今後は東京の都市型公設法律事務所で後進の育成などに当たる予定。
 11月1日付で着任した備酒弁護士は、神奈川県横須賀市出身。國學院大、一橋大法科大学院を経て19年、司法試験に合格。1年間の司法修習後、東京の都市型公設事務所で研さんを積んできた。今年1月に糸魚川を訪問し、自然や食、弁護士としてのやりがいを感じて赴任を決意。後任所長への応募・選定を得て同9月に、第一東京弁護士会から県弁護士会に登録替えし、同市内に在住している。任期はおおむね3年。
 引継ぎ式に先立ち、両弁護士が記者会見に臨んだ。日本弁護士連合会の福田健次・公設担当副会長、県弁護士会の齋藤貴介会長ら5人が同席。若き才能と情熱の前途に期待、糸魚川での活躍を確信し後方支援を約束した。
 着任に当たり備酒弁護士は、「小出弁護士、川辺弁護士がいかに市民の皆さんに愛され活動されてきたか実感している」と話し、「私も糸魚川の皆さんのためにお役に立てるよう一生懸命業務にまい進していきたい」などと決意を述べた。
 退任に当たり川辺弁護士は、「この法律事務所が、たくさんの方の力添えで開設され、たくさんの方に支えられ運営できているとあらためて気付かされた4年間だった」と感謝。「たくさんのご恩を返しきれたか分からないが、私自身はかけがえのない時間を過ごすことができた。家庭の事情で離れることとなったが、私にとって糸魚川は第二の故郷」と話し、「困っている人を放っておけない」人柄の後進にバトンを託した。

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