次世代EVトラック投入 普及へ多用途に対応 三菱ふそう

9月に発表した新世代eCanter(三菱ふそうトラック・バス提供)

 国内の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、2割弱を占めるとされる物流業界。中でも物流の主役「トラック輸送」の脱炭素化は喫緊の課題だ。こうした中、三菱ふそうトラック・バス(川崎市中原区)が9月に発表したのが、電動(EV)小型トラック「eCanter(イーキャンター)」の次世代モデル。車体の構造を見直し、バッテリーの積載量などが選べるようにするなど改良を重ねた。CO2ゼロを目指すトラック業界の新たな手段として注目されている。

 「お客さまからは次世代モデルに好意的な意見を頂いている。この5年間で得られた知見は大きかった」

 そう自信をのぞかせるのは、2017年のeCanter立ち上げから販売活動に携わっている国内販売・カスタマーサービス本部の岩﨑孝倫さん。

 現行モデルはこれまでに世界で約450台、うち約130台は日本で販売された。厚木市では今年3月、新明和工業(兵庫県)と共同開発したごみ収集車が稼働している。

 拡販に至るまでの道のりは平たんではなかった。同車に関心を寄せる事業者は多かったが、「私たちが使いたいスペック(仕様)と合わない」との指摘も。契約に至らなかったケースも多々あったという。

 「トラックの使い方は多様。宅配便のような市街地のラストワンマイル輸送から都市間輸送まである。多用途に使えるようにしてほしいとの声が多かった」

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