カブスがヘイワードの解雇を正式に発表 2016年のWS制覇の立役者

日本時間11月15日、カブスは33歳のベテラン外野手ジェイソン・ヘイワードを解雇したことを正式に発表した。ジェッド・ホイヤー編成本部長は8月上旬の時点でヘイワードをシーズン終了後に解雇することを明らかにしていた。ヘイワードはカブスの判断について「驚かなかった」とコメント。ヘイワードを解雇したカブスは今後、若手選手により多くの出場機会を与える方針であり、「まだ強豪チームに貢献できると思う」と語るヘイワードは、自分を必要としてくれる新天地を探すチャンスを得ることになった。

ヘイワードはブレーブスで5年、カージナルスで1年プレーしたあとフリーエージェント(FA)となり、8年1億8400万ドルの大型契約でカブスに加入。走攻守すべてを兼ね備えたオールラウンドな外野手として活躍を期待されていたが、短縮シーズンの2020年(50試合でOPS.848)を除くと、OPSが.750を超えたシーズンすら1度(2019年にOPS.772を記録)しかなく、通算5度受賞したゴールドグラブ賞も2017年を最後に受賞しておらず、2021年以降は出場機会が減少していった。

今季はわずか48試合の出場に終わり、打率.204、1本塁打、10打点、1盗塁、OPS.556という自己最悪のシーズン。右膝の炎症で6月末に故障者リスト入りすると、8月下旬には60日間の故障者リストに移され、そのまま戦列復帰することなくシーズンを終えた。なお、カブスとの契約があと1年残っているため、他球団はメジャー最低保証年俸でヘイワードを獲得することができる。

人格者として知られるヘイワードは、カブスにとって108年ぶりのワールドシリーズ制覇(2016年)に貢献した選手の1人であり、当時のチームメイトでもあるデービッド・ロス監督は「彼なしではワールドシリーズ制覇できなかった」とコメント。ワールドシリーズ第7戦の雨天中断中にヘイワードがスピーチを行い、同僚たちを奮い立たせたのは有名なエピソードである。

今季開幕前には、ゴールドグラブ賞5度の実績を誇りながらも、新たにチームに加入した鈴木誠也のために右翼のポジションを空け、中堅に移ることに同意。最後までカブスのために尽くした選手だった。「シカゴのことをホームと呼び続けたい」とカブスへの愛着を語ったヘイワードだが、次はどのチームでプレーすることになるのだろうか。

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