小田原・米神地区の魅力知って 古民家シェアハウスが3周年 移住者や学生の交流拠点に

シェアハウス「米神ミヅカブラ」に遊びに来た(左から順に)学生と住人で学生の伊東英祐さん、菅田悠介さん、新造真人さん=小田原市米神

 小田原市米神地区の米神漁港近くに、20代の移住者や学生が集うシェアハウスがある。2022年12月に3周年を迎えた、古民家「米神ミヅカブラ」。自然の豊かさや人の温かさに魅力を感じた兼業猟師や美術家などが住みながら、同地区の活性化に一役買っている。19年12月に藤沢市から移住してきたNPO法人代表で猟師兼会社員の菅田悠介さん(27)は「このシェアハウスに遊びに来てもらい、米神地区の良さを知ってほしい」と話している。

 JR根府川駅から徒歩約30分。坂道を上りきった狭い路地にある築63年の古民家に、にぎやかな笑い声が響く。住んでいるのは、菅田さんら20代の男性3人。それぞれが市外にも活動拠点を持ち、都心と米神とを行き来して生活している。

 菅田さんは大学在学時のゼミ活動で獣害対策に取り組んだことがきっかけとなり、18年に同市片浦地区を初めて訪れた。その後、狩猟免許を取得するなど活動に熱を入れる中で、住民らの好意で神社の社務所に寝泊まりさせてもらったりするなど地域の温かさに触れ、19年に移住を決意。「駅から遠く、交通や買い物などで不便な面があるからこそ、近所同士で助け合ったり、生活の知恵を教え合ったりする。いい人たちに囲まれている」と振り返る。

© 株式会社神奈川新聞社