【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第8話 桜咲く、アメリカ首都の野球場

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。今年アメリカ中を飛び回り、MLB全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

桜咲く野球場

「ナショナルズ・パーク」は、お花見をしながら野球観戦が出来る、MLBで唯一のボールパークです。ワシントンD.C.では、春に見られる満開の「チェリーブロッサム」が名物のひとつです。きっかけは今から100年以上前、日本から桜の木が贈られたことだったそうです。

「ワシントン・ナショナルズ」は、チーム創設後初めて、2019年、ワールドチャンピオンに輝きました。サクラサク常勝軍団になるためのスタートダッシュと、野球と桜のコラボレーションを観に行きましょう!

[ユニフォームに満開の桜!](

ナショナルズ・パークへ

アメリカ東海岸のMLBスタジアムを巡る旅。最後はアメリカの首都、ワシントンD.C.に向かいます。ボルチモアから「ワシントン・ユニオン駅」まで、おなじみの鉄道「アムトラック」で、南へ1時間弱です。駅を降りた瞬間から、白を基調とした大きな美しい建築物を目にすることが出来ます。「議会議事堂」や「ホワイト・ハウス」など、まさに政治の中心地です

[アメリカ合衆国議会議事堂!](

そこから一転、先進的なマンションや飲食店街、再開発を続けるクレーン群が見えてきたら…Nationals Park! Nice to meet you!

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ちなみに、空の玄関口「ワシントン・ダレス国際空港」は、アメリカ大手の「ユナイテッド航空」の拠点空港なので、全米どこからでもアプローチしやすいのも魅力です。

Ballparkの楽しみ方

球場レフト側にある正面玄関をくぐると、両脇に植えられた桜の木が、私たちを出迎えてくれます。見頃は3月下旬から4月上旬なので、まさしく球春到来のタイミングが、一番のおすすめです!2022年、MLB全球団が街の魅力を反映させたユニフォームを着た「シティー・コネクト」でも、ナショナルズは、桜をモチーフにしました。

その桜の木を望めるレフトスタンドは、レストランのオープンテラス席になっていて、予約をすれば誰でも、食事を楽しめます。球団職員のおすすめスタジアムフードは「ベンズ・ハーフスモーク」のホットドッグ。チリソースと玉ねぎをたっぷり乗せて頂くのが、ワシントンスタイルだそうですよ。

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歩みを続けるアメリカとMLB

ワシントンD.C.が、アメリカの首都でもあることから、地元・政府と連携したボールパーク作りが行われています。事実、周辺の再開発では、球団がスタジアム周辺の土地を買い上げ、レジデンスやビルを建設。エンターテイメントの拠点を広げていくことで、治安も改善され、新しいカルチャーが生まれています。

球場内には「ライブラリー・コングレス」という、アメリカ政治の歩みと、野球の歴史とを対比させながら学べるエリアがあります。ちょっと読んでみると、ナショナルズの前身は、かつてカナダにあった「モントリオール・エクスポズ」だそうです。1969年、両リーグが12球団制へ移行するための球団数拡張をきっかけに誕生し、アメリカ以外の国に出来た史上初のMLB球団でした。/p>

2005年、ワシントンD.C.に拠点を移したことで、今の形になりました。マスコットはプレジデント(大統領)たち。試合中に彼らが全力疾走する「プレジデント・レース」も人気です

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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