糸魚川総合病院・分娩休止 「危機意識強い」 医師確保・子育て環境 今後も注力 糸魚川市米田市長

 糸魚川総合病院(糸魚川市竹ケ花)が4月以降の分娩(ぶんべん)休止を公表したことを受け、米田徹市長は15日の定例記者懇談会で、「自分のまちで子どもが産めない。いまだかつてない状況と捉え、少子化に拍車をかけるのではないかと危機意識を強く持っている」と述べた。引き続き、医師確保と子育て環境の整備に取り組む考えを示した。
 同病院は市内で唯一出産ができる医療機関。市は、本年度末で退職する産婦人科医の後任医師の確保に向けて病院と連携、県の協力を得て取り組んできた。米田市長は「首都圏まで広げて動いたが見つからなかった。厳しい状況にある」とし、人口減への影響に対して「ないとは言えないが、出産時の対応や糸魚川で子育てをする環境をしっかり整えていきたい」と答えた。
 市は同病院の分娩受け入れ再開までの支援として、市外で出産する場合、出産時のタクシー代(上限3万円)や宿泊費用(妊婦と付添人1人まで、上限1泊1人5000円、最大5泊)を助成する。新年度は産後ケアの拡充事業なども計画している。
 市は婦人科診療や妊婦健診については継続していける状況と説明した。同病院では新しく着任する婦人科医と調整し、新たな診療体制の準備を進めているとしている。

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