雰囲気作り、起爆剤…専門家が語る逆転Vへロッテが今すべきこととは?

ロッテのレオネス・マーティン【写真:荒川祐史】

楽天戦3連敗、25日からはソフトバンクと直接対決

■楽天 3-0 ロッテ(24日・楽天生命パーク)

ロッテは24日、敵地で楽天に0-3で敗れ、3連敗を喫した。今季はコロナ禍の影響で上位2チームしかCSに進めない中、3位楽天にゲーム差を2.5まで縮められた2位のロッテ。7回まで毎回得点圏に走者を進めながらも、1度も得点することはできなかった。現役時代、ヤクルト、楽天で活躍し、楽天、ソフトバンクでコーチを務めた野球解説者の飯田哲也氏は「ロッテは点を取れるところで取れていない」と、これまでの攻撃ができていないことを、この日の敗因に挙げた。

最後までホームが遠かった。何度も得点圏に走者を進めながらも、1度も得点が奪えず、12残塁。コツコツと得点を重ねた楽天とは対照的な拙攻が続いた。飯田氏は、3回無死一、二塁の場面で2番マーティンがフルカウントからボール球を振って空振り三振に倒れた場面が、この日の象徴的シーンだったと指摘する。

「ロッテはらしくない攻撃でした。三振も多かったが、走者を進めて、内野ゴロや犠飛で1点という野球ができなかった。これまでロッテは、チャンスを得点につなげることができていたから勝てていたが、この日は四球で走者が出ても、得点できなかった。マーティンの3回の場面も、見逃していれば無死満塁。ほかの打者なら犠打のサインで、マーティンだったから打たせたと思うが、あの三振が鍵だったかなと思う。楽天は点を取れるところで取れたが、ロッテは取れなかった」

ここまでリーグ最下位のチーム打率.240ながら、効率のいい攻撃で勝ち星を重ねてきたロッテ打線。だが、長いシーズン中には、当然、どのチームにも打線に波はある。それは優勝するチームでも同じだ。ヤクルト時代、俊足の1番打者として5度の優勝を経験している飯田氏も、現役時代には、今のロッテ打線と同じように辛い思いを味わったが、自分の仕事に徹することで、チームの状態が回復するのを待ち続けたという。

「どんなチームでも、ずっといい状態が続くことはない。そこをどうしのぐか。自分がヤクルトにいた時も、プレッシャーに潰されそうな時もあった。そういう時は自分が打ってやろうと思いがちだが、それぞれが自分が何をすべきかを考えて、やるべき仕事をすることが大事。自分の場合は粘ったり、走者を進めることだった」

そして、チームの雰囲気を変えるために、ベンチが手を打つことも時に必要だという。

「監督、コーチがベンチで雰囲気をつくって、選手をリラックスさせることも大事。思い切って若手を使ったり、逆に経験のあるベテラン任せにしたりしてもいい。いろいろ起爆剤はあるから、普段と違うことをするのも1つの手。投手陣も頑張っているから、今はいかに耐えるかですね」

今日25日からはソフトバンクとの首位攻防3連戦が始まるロッテ。15年ぶり6度目のリーグ優勝を手にするためにも、1日も早い打線の復調が待たれるところだ。(Full-Count編集部)

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