平塚駅前にある人魚像の原画発見 所有していた元市長の親族が市へ寄贈 「皆さんの目に留まるようになれば」

人魚像「海の讃歌」の原画を説明する、五十嵐友一さん(中央)=平塚市役所

 JR平塚駅南口噴水広場に設置している人魚像「海の讃歌」の作者・澤田政廣氏が描いた原画が発見され、所有していた戸川貞雄元市長のひ孫に当たる五十嵐友一さんが2月15日、神奈川県平塚市に寄贈した。

 人魚像は文化勲章受章者の澤田氏が生涯モチーフとしたうちの一つで、1963年の市制30周年を記念して寄贈され、同駅北口ロータリーに設置。70年5月に平塚駅広場中央地下道開通に伴い現在の南口に移設し、昨年12月に同90周年を記念して説明板を設置した。当時の縁から澤田氏が戸川元市長に水彩画の原画を贈呈したとみられ、親族が現在に至るまで保管していた。説明板設置などで像が注目されたことから原画の存在を再確認し、文化振興に役立ててほしいと寄贈を決めたという。

 戸川元市長の親族を代表して、五十嵐さんは「家にあった時は当たり前のようにあったもの。皆さんの目に留まるようになればうれしい。(市制)30周年と90周年という歴史的な運命を感じる」と話していた。受け取った落合克宏市長は感謝状を手渡した。

 市は市民の目に付く所での設置や市美術館での保管を検討しているという。

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