栃木県内でクマの目撃増加「原因と対策は」 専門家に聞く

 日本の各地で相次いで報告されているクマによる被害。栃木県のまとめでは、今年(2023年)4月から9月末までの県内のクマの目撃件数が、過去5年の同時期と比べ最多となっていて、山林近くの住民や観光客などに注意を呼びかけています。

 クマが人里に下りてくる理由やクマの対策について、県の担当課を取材しました。

 県環境森林部自然環境課・野生鳥獣対策班の監物伸隆班長は「どんぐりの実とか餌がないような場合とかは、餌を求めて下りてくるというようなところもあるので、生ごみとか収穫されていない果実とかそういったものを餌として、特に冬眠前に求めて下りてくるというようなところがあるかと思います」と話します。

 県のまとめでは、今年4月から9月までのクマの目撃件数は114件で、過去5年の同じ時期と比べ最多となっています。市町別で見ると日光市が79件と全体の約7割です。

 観光客でにぎわう日光市湯元でも27日7時20分頃、湯ノ湖西側の山林を観光客が散策していたところ、体長1mのクマ1頭が北に向かって歩いているのを目撃しました。けがをした人はいないということです。

 このほか今年8月には、龍頭ノ滝の近くの宿泊施設にクマが侵入するなど、人里にクマが下りてくるケースが目立ちます。

 湯ノ湖近くのビジターセンターには、夜から朝にかけて出歩かないよう呼びかけるポスターが貼られています。

 県としてもクマが人里に下りてこないよう「食べ物のにおいがするゴミの処理を適切に行う」など対策を講じてほしいと地域の住民や観光客に注意を呼びかけています。

© 株式会社とちぎテレビ