グミやクッキーにも入っている危険ドラッグ 沖縄で救急搬送36件 昨年の9倍に急増 県「安易に買わないで」

 沖縄県は1日、危険ドラッグによる健康被害が疑われる県内の救急搬送事例が今年1~10月末までで36件確認されたと発表した。昨年1年間の9倍に急増しており、県は「見た目はお菓子などでも危険な薬物が入っている場合がある。安易に購入しないで」と呼びかけている。

 年齢別では、20代が最多の16人、次いで30代12人、20歳未満3人と続いた。30歳以下が8割以上を占め、若者の薬物汚染が深刻化している。性別の内訳は男性が27人、女性8人、不明1人だった。

 危険ドラッグはグミやクッキーなどの食品のほか、電子たばこ機器を使用して吸引するリキッドや乾燥植物片などさまざまな形で販売されている。「合法大麻」や「合法ドラッグ」と称している場合も多い。

 県衛生薬務課は「あたかも安全であるかのように誤解する人もいるが、意識不明、けいれん、幻聴幻覚、嘔吐(おうと)などの健康被害が報告されている。危険で違法なドラッグだ」と強調。昨年と比べて急増した理由は不明としたが、「社会的に注目されたことで認知度が高まった可能性もある」と説明した。

 今回の集計は、大麻に似た有害成分を含むとされる「大麻グミ」を食べた人が体調不良を訴える被害が全国で相次いでいることを受け、県内消防などへ再度、情報提供を依頼した。

 当初は9月末までで15件としていたが、事例を精査した結果、10月末までで36件が確認できたという。(社会部・下里潤)

(資料写真)立ち入り検査のためシャッターを閉めた店舗。通りを歩く人たちがその様子を見つめていた=11月21日午後5時ごろ、那覇市の国際通り(小宮健撮影)

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