能登出身の歌手・植松さん 塩原温泉のステージで支援を呼びかけ

能登半島地震は発生から19日が経過し、支援の輪が全国各地に広がりつつありますが、塩原温泉のホテルで歌謡ショーを行う能登出身の歌手がいます。歌を通して支援を呼びかけるその思いを聞きました。

那須塩原市のホテルニュー塩原で行われた歌謡ショー。マイクを握る植松達也さんは石川県能登町の出身です。

2003年、キングレコードから「女の爪あと」でデビューした植松さん。被害を受けたふるさとのため出演料などの一部を義援金に宛てる活動をしています。

地震発生から19日。両親や親せきは今も避難生活を続けています。先週、赴いた際は拠点としている加賀市から徒歩も含め8時間かかったといいます。

仕事を休んで、復旧を手伝いたいという植松さんに両親は「心配せんでええ」と一言。能登の意地のようなものを感じたそうです。

夜8時からの歌謡ショーを前に、この日も多くのファンが植松さんの歌声を楽しみにやってきました。何度も来ているという女性は「笑顔にしてくれるところが一番好きだ」と話します。

しかし、地震の後初めて出演した初日はうまく歌えませんでした。能登から帰ったばかりで、ステージの直前に両親と電話で話した際、衛生や治安の問題で不安がる言葉を聞いたことを引きずってしまったといいます。

「これではいけない」と2日目以降は切り替え。実直・忍耐強さが能登の気質で、この日は坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」を最後の曲に選びました。

(植松さん・少しずつ希望が見え来ている部分もある。若い漁師は海に出始めている。能登の方たちは皆、感謝しかないと思う)

植松さんは20日までホテルニュー塩原でショーを開催、2月も1日から歌謡ショーが予定されています。

能登町には支援物資も届き始めていて生活が整いつつあるということですが、被害の大きな地域を含めてまだまだ息の長い支援が必要。特に住居や暮らしの立て直しが急務となります。

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