栃木県那須町伊王野の河川敷で男女2人の焼損遺体が見つかった事件で、死体損壊の疑いで逮捕された埼玉県越谷市、建設業の男(25)が遺体発見の約3時間半前、東京都内にいたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。本県を訪れていないことが確認されたという。また事件発覚前日の15日夜、都内のコンビニで2人組と合流し、黒い車を貸したことも判明した。合同捜査本部は殺人の疑いを視野に捜査。事件の実行役がいたとみて調べている。事件は23日、発覚から1週間となった。
捜査関係者によると、男は15日午後9時ごろ、自分名義の黒の乗用車で都内のコンビニを訪れた。その後、徒歩でやってきた2人組と合流した。男は同11時ごろ、1人で徒歩で店を離れ、2人組は同11時半ごろに車で出発したという。防犯カメラ映像で確認された。
男はその後の16日午前2時前~3時半ごろ、都内の居酒屋に1人でいたことが判明。同日午前4時過ぎには那須町の遺体発見現場付近を往復する男名義の車が防犯カメラに写っており、捜査本部は2人組が関与した疑いがあるとみている。
男は調べに対し、粘着テープやガソリン、携行缶を「遺体の処分のため指示を受けて買った」と供述。13~14日にかけて都内や埼玉県内の店舗で購入したという。
男は2人組と事前に遺棄場所などについて話し合っていたとみられる。供述によると、男が「田舎の方がいいのでは」と言うと、相手は「人に見つからないところがいい」と話したという。
一方、男の車の後部座席やトランクから見つかった血痕はDNA型鑑定の結果、被害男性の妻とみられる女性と一致したことも判明。後部座席の足元からは粘着テープや結束バンド、被害男性の妻の運転免許証が見つかったことも分かった。捜査本部は指示役を含め複数人が関与したとみてグループの役割などを調べている。