結婚は早いほうが得?結婚後のライフプランから考える

結婚後のライフプランを考えると、結婚は早いほうが得なのでしょうか。結婚後の期間の長さ、子どもの教育費や老後の費用を考えると、早く結婚することは有利となりますよ!具体例を挙げて考えてみましょう

進む晩婚化。結婚のタイミングはいつがベスト?

内閣府が発表した「少子化社会対策白書(平成29年版)」によると、平成27年の平均初婚年齢は男性31.1歳、女性29.4歳となっており、結婚年齢が高くなる「晩婚化」が進んでいます。この晩婚化について、結婚前を考えるとお金が貯められていいように思えますが、結婚後のライフプランを考えるそうともいえないようです。

シングル時代はコスト高。結婚後のほうが貯めやすい

結婚前と結婚後の生活費を考えてみましょう。シングルの間は、実家住まいや一人暮らしとなります。一人暮らしで部屋を借りると、家賃は大きな負担になります。結婚して一緒に住むようになると、住宅コストが減ることになります。

また、食費やレジャー費も減らすことができます。デートのたびに外食をして、娯楽に費用をかけていたのが、結婚後はほとんど必要ではなくなることも。他にも、通信費や水道光熱費、新聞書籍代などは結婚後のほうが割安になります。

このように、シングル時代より結婚後のほうが生活コストは減ります。結婚して子どもができるまでが一番の貯めどきともいわれています。少しでも早く結婚をするほうが、お金的には有利といえるでしょう。

定年までの時間が長い

将来のライフプランやマネープランを考えるとき、何年後まで働くことができるかが重要なポイントとなります。現役で働ける間は収入も安定し、生活設計がしやすいものです。

60歳で定年とすると、40歳で結婚をすれば残り20年、25歳で結婚をすれば残り35年。生活設計を考えるには、期間だけではなく収入や支出、貯蓄額などが重要になりますが、少なくとも期間が長くあるのは有利といえます。

老後の資金を貯めるにも、定年までの期間は重要です。運用を考えるとき、一番の味方は時間です。例えば60歳まで100万円を元手に年利3%で複利運用したとしましょう。20年だと180万円になりますが、35年あると281万円になります。積立などをすると、更に期間が長いほうが有利になりますね。結婚が早く、定年まで時間が長いことはお金を殖やす場面でも有利ということです。

妻のキャリアプランを立てやすい

結婚や出産を機に仕事を辞めた妻が、子育てがひと段落したタイミングで再就職することが多くあります。この「子育てがひと段落」が何歳になるかで、妻の再就職事情が変わってきます。

例えば末子を27歳で産んだ場合、その子どもが10歳になっても妻は37歳です。もし、末子を40歳で産んだとすると、子どもが10歳になったら妻は50歳。37歳と50歳では就職事情がかなり変わってくるのではないでしょうか。早婚で子どもを早く出産すると、妻の再就職などキャリアプランも立てやすくなります。

この他にも、子どもにかかる費用を考えると、早婚のほうが有利になります。

収入ピークを考えると32歳までに末子を

子どもがいる世帯にとって、一番気になるのが教育費でしょう。教育費の中で、一時に大金が必要になるのは大学などの高等教育進学時です。

例えば大学入学初年度にかかる年間学費は、国立大学で81万7800円(文部科学省令による標準額)、私立大学(学部)の初年度納付金(授業料、入学料、施設設備費の合計)は131万1644円(「平成26年度私立大学入学者に係る初年度納付金平均額」文部科学省)。大学1年目にこれだけのお金を準備しなくてはいけません。他にも受験費用などに数十万円は必要になるでしょう。一人暮らしとなるとさらにお金がかかります。

このように、教育費のピークは高校卒業時18歳と考えると、この時期に親が何歳になるかがポイントになります。夫が45歳の時に子どもが生まれたとすると、子どもが大学進学する頃には定年になっているかもしれません。

また、男性の収入ピークは50歳過ぎといわれています。となると、末子が18歳の時には、夫も50歳くらいでいたいものです。逆算すると、夫が32歳までに末子が生まれるのが理想といえるでしょう。

老後資金のために何年あるか?

教育費の他にも考えておきたいのが自分達の老後資金。ある程度まとまったお金を準備していく必要があります。これらは、若いときから少しずつ積立運用していくのが理想です。とはいっても、多くの家庭は子どもが独立し教育費が不要になった頃から準備しているようです。

となると、子どもの教育費が不要になってから定年まで何年あるのかも気にしていかなくてはいけません。これは一年でも長くあるほうが有利となります。となると、子どもはできるだけ早く出産するのが有利ということになりますね。

少しでも早く結婚して子ども産むほうが、生活設計的には楽になることがわかりました。結婚期間の長さを有利と考え、将来設計をしっかりとたてていくと、早婚はお得だといえるでしょう。

(文:福一 由紀)

© 株式会社オールアバウト