内閣支持率は上昇傾向、ふたたび「自民党安定期」か|7月 世論調査まとめ

参院議員定数を「6増」する公職選挙法改正案やカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が注目を集める7月。今月中に行われ、有効回答数や回答を公開している報道機関8社の世論調査の結果をまとめ、比較しました。なお、各社の調査日や手法は異なるため、あくまでも参考値としてご覧ください。

2ヶ月連続で内閣支持率は上昇傾向。NHKは4ヶ月ぶりに支持が逆転、日経は不支持が逆転

8社の加重平均を見ると基本的には不支持が支持を上回っていますが、NHKの調査では支持率が6ポイント上昇の44%となり、3月以来4ヶ月ぶりに不支持率を上回ることとなりました。逆転こそしなかったものの、JNN(TBSテレビ)の調査では支持率が4.1ポイント上昇しています。

一方、不支持が大きな逆転を見せたのは日経新聞で、前回より支持率が7ポイント減少の45%となったことに対し、不支持は5ポイントの上昇を見せ、47%となりました。

政党支持率は大きな変化なし

政党支持率に目を通すと、増加と減少が半々ほどの割合で見られます。まず増加のほうを見ると、自民党の支持率は、共同通信は2.8ポイント、読売新聞は3ポイント、NHKの調査では2.3ポイント上昇しています。

一方減少のほうを見ると、日経新聞は6ポイント減少しましたが、時事通信の調査では0.4ポイント、JNNの調査では1.0ポイント減少しました。全体を通してみると、大きな変化があったとは言えません。

野党第一党である立憲民主党も、日経新聞の調査では3ポイントの上昇、JNNの調査では2.7ポイントの下落など、個々の調査では変動は見られたものの、総合数値ではそこまでの変化はありませんでした。そのほかの政党には大きな変化は見られません。

自民党の法案に強い懐疑の声

支持が安定しつつあるように見える自民党政権ですが、現政権が中心となって進めている政策に対しては、懐疑の声も見られます。たとえば、先日成立したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法については、JNNの調査では賛成20%、反対65%となり、時事通信の調査では賛成22.1%、反対が61.7%となっています。朝日新聞の調査では「今の国会で成立させるべきかどうか」と質問したところ「今の国会で成立させるべきだ」が17%、「その必要はない」が76%となっており、また産経新聞・フジテレビの調査においても、(IR設置による)「経済効果や地方の活性化に期待する」が31.3%に対し、「期待しない」が62.0%と、いずれも芳しい反応ではありません。今後、こうした法案の是非が支持率にどう影響を与えてくるか、引き続き注目です。

 

<参考>
NHK 世論調査(7月6-8日実施、回答数1221)
JNN(TBSテレビ) 世論調査(7月7‒8日実施、回答数1200)
時事通信 世論調査(7月6‒9日実施、回答数1230)
朝日新聞 世論調査(7月14‒15日実施、回答数1941)
日経新聞 世論調査(7月20-22日実施、回答数965)
産経新聞・フジテレビ 世論調査(7月21-22日実施、回答数1000)
共同通信 世論調査(7月21―22日実施、回答数1023)
読売新聞 世論調査(7月21―22日実施、回答数1034)
(データ分析・執筆協力:若林良)

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