FCバルセロナをはじめとする海外の名門クラブは日本でもスクール活動を行っている。今回は、そんな欧州名門クラブのアカデミーが実施するキャンプについて触れていく。
海外名門クラブが日本にもサッカースクールを展開
プレミアリーグの名門 アーセナル
近年はJリーグ傘下や民間など、多くのサッカースクールが日本で開校されている。そんな中、FCバルセロナ、レアル・マドリード、アーセナル、チェルシー、ACミラン、ボカジュニアーズなど、海外の名門クラブも日本でサッカースクールを展開している。
日本の子ども達も間でも海外サッカー人気は高く、Jリーグクラブや民間のサッカースクールからすると強敵であることは間違いないだろう。そして、日本でスクールを展開している海外クラブの多くが、日本国内でキャンプを実施し、優秀な選手を現地へ招待している。
今夏開催!海外クラブのスクールによる国内キャンプ
スペインの名門 FCバルセロナのホームスタジアム、カンプノウ
ここからは日本でスクールを展開する海外名門クラブの国内キャンプの日程や概要についてまとめていく。
・FCバルセロナ
北海道・東北エリア
宮城(7/23-25)
福島(8/5-7)
旭川(8/14-17)
関東エリア
栃木(7/27-29)
小田原(7/31-8/3)
東京(8/9-12)
埼玉(8/20-22)
千葉(8/24-26)
北陸・東海エリア
愛知(7/23-26)
富山(7/28-29)
新潟(7/31-8/2)
東海・関西エリア
芦屋(8/6-9)
奈良(8/11-17)
大阪(8/20-23)
■参加費
エリアごとによって異なるが、5万~15万となっている。
■対象年齢
小学校1年生~中学校1年生※8/11~13日の奈良のみ中学校1年生~中学校3年生
バルサキャンプは日本で開催される海外クラブのキャンプでも高い知名度を誇り、2007年から開催され、10年以上の歴史を誇る。スペイン語講座も行われる。最大の魅力は、MVPに選出されるとバルセロナに招待され、特別プログラムを受けることができることだろう。
過去には、久保建英選手やイニエスタが実力を認めた細川楓選手(現在横浜Fマリノスジュニアユースに所属)も同キャンプでMVPを獲得し、バルサ下部組織への入団に至っている。
なお、MVPの選考基準については、以下の人間的な基準と技術的な基準があるという。
①謙虚であること
②野心的であること
③チームプレーができること
④努力すること
⑤仲間、相手などに敬意を払えること
①技術的質(バルサの戦術に沿った技術かどうか)
②ポジション取りのスピード
③予測スピード
④ボールを失わないか
⑤判断力に優れているか
⑥プレーに連続性があるか
⑦攻守の切り替えのスピード
さらにバルセロナでは、ボールを受ける際の体の向き、ボールの置き所、どちらの足でコントロールするかという部分にフォーカスし、スピードよりも敵からボールを奪われないようにするにはどうするかという部分を指導しているという。
・RCDエスパニョール
浦和美園キャンプコース①
7/28-31
浦和美園キャンプコース②
8/17-20
東京キャンプ
8/22-25
■参加費
浦和美園キャンプ
39800円(コース①と②両方参加される方は1万円引き)
東京キャンプ
1日1回コース 44800円
1日2回コース 79800円
■対象年齢
小学校1年生~6年生
スペインのRCDエスパニョールが実施するエスパニョールサマーキャンプでは、同クラブ下部組織の監督が本場のサッカーを指導。MVPに選ばれた選手は、スペインへ行き下部組織へ練習参加できる資格を得られる。
・RCセルタキャンプ
神奈川会場 7/30-8/1
千葉会場 8/2-4
■参加費
神奈川会場通いプラン 65000円
千葉会場 通いプラン 65000円
千葉会場 宿泊プラン 84800円
■対象年齢
小学1年生~中学3年生の男女
1923年に創設された、歴史ある名門クラブ、RCセルタの実施するキャンプ。育成には定評がある同クラブの現役コーチ陣が直接指導する。MVP1名に選ばれた選手はスペインに無料で遠征することができる。
・アーセナルサマーキャンプ
千葉県長柄町①8/9-14
千葉県長柄町②8/15–20
千葉県長柄町③8/21–26
■参加費
213840円
■対象年齢
9歳~17歳の男子、9歳~15歳の女子
アーセナルのサマーキャンプはイギリスからコーチが来日し、直接指導にあたる。イングランド遠征に参加し世界を体感するチャンスもあるようだ。そして、特徴的なのが指導は英語を中心に行われ、
さらにはネイティブ講師陣による特別教材を使った英語学習 週15時間行われることである。この時間数はサッカーのトレーニングと同じ時間となっている。
同キャンプではスピードの変化、ターンした後のスプリントや、スムーズな体の動き、テンポの早いパス。もちろんその中での体の向きや、遠い足でのコントロール、ファーストタッチの置き所なども指導はするが、どのトレーニングも相当スピード感のある中で行われるという。ドリブルの練習にしても、敵と正面に対峙してのドリブルだけではなく、敵と並走しながら、5秒~8秒ぐらいの間、スプリントしながらターンして敵をかわす練習だったり、対峙する敵のポジショニングによってターンする方向、使う足を変え、ターンしたあとにいっきにスピードをあげるというような練習が過去に行われている。このようにバルセロナのキャンプとは違った特徴があるようだ。
・ACミランアカデミージュニアキャンプ
静岡クール 8/5
大阪クール 8/10、8/11
新潟クール 8/15
筑波クール 8/18、19
■参加費
15000円(全会場共通)
■対象年齢
小学校1年生~中学校1年生(全会場共通)
イタリアの名門、ACミランが2007年から実施するサマーキャンプ。ACミランの指導者育成機関「ミラン・アカデミー」で独自の指導法を学んだイタリア人のテクニカルディレクターが直接、子ども達の指導する。
また、グラウンドではイタリア語が飛び交い、通訳を通してトレーニングを行う。さらに、優秀選手として選ばれた選手にはACミランキャンプ選抜として翌年に開催されるイタリア遠征に参加するチャンスが与えられる。
これらのクラブのほかに、リヴァプールが8/17~19に山梨でスクール生限定で、ユヴェントスが8/1~3に静岡県でそれぞれキャンプを開催する。
その他にも既に終了しているが、インテルが7/23~27で東京でインテルアカデミーキャンプを実施した。
このように多くの海外名門クラブが日本でスクールを展開し、毎年、春や夏にキャンプを実施し、優秀な選手を現地へ招待し、経験を積む場を用意している。今、日本のサッカースクールはJ傘下、民間、そして海外名門クラブと多くのスクールが混在し、飽和状態となり子どもの奪い合いが起きている。
サッカースクールの普及と発展が今後の日本サッカー界にどのような影響をもたらすかに注目していきたい。