銅系板条製品、車・電子向けなど需要旺盛 大手メーカー、夏季休暇返上も

 銅系板条製品の生産が繁忙だ。自動車やエレクトロニクス関連で需要が旺盛で、高水準なニーズに対応するため神戸製鋼所やJX金属など夏季休暇を一部返上して製造に充てる大手伸銅品メーカーも見られる状況となっている。

 車載配線の接点に用いるコネクタ材、半導体の実装に使うリードフレーム材の需要がともに好調。またスマートフォンなどモバイル機器向けのニーズも堅調となっている。銅系の板条を使った部品の小型化により薄物が増加していることも、製造設備の負荷に拍車をかけていると見られる。

 コネクタ材の需要増は世界的な自動車生産台数の増加に加え、電装化による1台当たりの使用数量の拡大が追い風となっている。リードフレーム材はIoT関連需要の顕在化に加え「車載半導体に関する需要が増えている」(メーカー筋)状況。

 大手メーカーでは神戸製鋼所が銅板条の主力製造拠点である長府製造所(山口県下関市)をフル稼働させており、工事を行っている一部設備を除き夏季休暇3日間のうち1日返上して製造ラインを稼働させる。

 JX金属では伸銅品を製造する倉見工場(神奈川県寒川町)がフル操業。4日間の夏季休業のうち1日を返上し、圧延銅箔や高機能銅合金条などで旺盛なスマートフォン向けなどの需要に応える。

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