日本CFS建築協会、摩擦機構内蔵の軽量形鋼耐力壁で免震性能を立証

 摩擦機構を内蔵した軽量形鋼の耐力壁の建築物が地震の振動に対しても、免震性能が有力的であることが明らかとなった。

 薄板軽量形鋼造の建築物の普及促進、研究開発を進める日本CFS(COLD―Formed Steel)建築協会はこのほど外部の研究施設で、軽量形鋼の耐力壁の振動実験を実施した。摩擦機構を内蔵した耐力壁の3階建て実験は国内で初めてとされる。

 実験では、水平振動台の実験装置に実寸大およそ2分1サイズの3階建ての実験体、躯体は木材のCLT(Cross Laminated Timber)床、側面はダイライト耐力壁を組み立てて行った。

 実験により、潤滑皮膜処理を施した鋼板と高力ボルトで締め付けた摩擦機構が、震度7の水平方向の振動に対しても、じん性およびエネルギー吸収能力を発揮し、変形や応答加速度を抑制することが実証された。

 摩擦機構の軽量形鋼耐力壁が地震の揺れに対しても効果的なことが判明したことで、今後は薄板軽量形鋼造の耐力壁を使った中層建築物への適用に道が開かれそうだ。

© 株式会社鉄鋼新聞社