ワコースチール、開先ロボ、ドリル、ガス溶断機など加工能力向上へ順次導入

ワコースチール、開先ロボ、ドリル、ガス溶断機など加工能力向上へ順次導入

 新日鉄住金系厚板加工・製罐大手のワコースチール(本社・千葉県成田市所、社長・清水健五氏)は、顧客サービス強化に向けた「現場力向上」(安全を最優先にしたムリ・ムラ・ムダの無い効率的な工場運営)と強固な収益基盤の確立を目指し、ソフト&ハードの両面で順次、設備の更新・増強を実施する。

 すでに今年5月には基幹システムを刷新したほか、9月中旬から来月にかけてガス開先ロボット、自動穴あけドリル、NCガス溶断機を導入する計画だ。

 同社は住友建機向けを主体に建機部品の切板から二次加工、溶接・製罐までの一貫加工を手掛ける。また、セグメント向けも「新たな柱」として成長。目下は需要の〝追い風〟を背景に旺盛な受注環境が続いている。

 今回の設備増強のうち、ガス開先ロボットと自動穴あけマシンはこうした需要増に対応して顧客ニーズを全うすることに加えて「将来のダウンサイド(需要局面の変化に伴う数量の減退・縮小)に備えた省力化投資であり、コスト改善を図るという両面の狙いがある」(清水社長)。

 ガス開先ロボットは左右2面テーブル仕様とし、長時間の連続操業が可能となるのが特長だ。自動穴あけドリルは、既存の2台とも稼働率100%を超えるフル操業状態にあるため、さらに1台増設。3台体制とすることで穴あけ加工能力を増強する。これに伴い、2台あるラジアルボール盤のうち、1台の撤去も決めた。

 NC溶断機は、3号棟で稼働する2台のうち、1台(NC4号機)を老朽化更新する。新設する溶断機ではピアシング時間を短縮できるほか、定盤長さを10メートル延長し、溶断母材を3枚(現状は2枚)まで並べられるので、生産性の向上が期待できるという。

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