前田枢機卿 法王に来崎要請へ 「長崎で平和アピールを」

 ローマ・カトリック教会で法王に次ぐ地位の枢機卿に就任した大阪大司教区の前田万葉枢機卿(69)=新上五島町出身=は13日、ローマ法王フランシスコが訪日の意向を示したのを受け、「来年の広島と長崎の(原爆の日の)式典あたりに来日するよう呼び掛けたい」と述べた。法王と12月に直接面会する予定という。
 同日、出身校の長崎南山中・高で講演した後、報道陣に答えた。
 ローマ法王の来日が実現すれば1981年2月の故ヨハネ・パウロ2世以来。前田氏は、ヨハネ・パウロ2世が広島で世界に向けて「平和アピール」を発信したことに触れ、「今度は長崎で平和アピールをしてほしいと伝えたい」と来崎を直接要望する考えを示した。
 前田氏は今年6月に日本人で6人目の枢機卿に就任。バチカンであった叙任式で、法王に直接「日本に来てほしい」と伝えると、法王は前田氏の両腕を力強くつかみ「はい」と答えたという。前田氏は法王の来日について「手応えはある」と語った。

母校の後輩を前に講演する前田枢機卿=長崎市、長崎南山中・高

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