【平成の長崎】普賢神社埋まる 普賢岳 有感地震なお多発 平成5(1993)年

 雲仙・普賢岳は12月29日、火山性地震とともに震度1の有感地震が多発、山頂火口から南-南東方向を中心に溶岩が崩落、地元では大規模な崩落に警戒を強めた。また溶岩ドーム西側の普賢神社が落石で完全に埋まっているのを、大学合同観測班が確認した。
 上空観測した九州大島原地震火山観測所の太田一也所長によると、新しい溶岩のわき出しはなく、山頂付近に大きな変化は見られなかった。普賢神社は、相次ぐ地震によって第10ドームの大半が崩落したため埋まったものとみられる。同神社は12月19日、地震による屏風岩の落石で、土台や壁面を残し大きく破壊されていた。
 雲仙岳測候所によると、午後10時までの火山性地震は436回、微動は13回、うち火砕流とみられる震動波形はなかった。(平成5年12月30日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

山頂火口直下を震源とする火山性地震が多発する雲仙・普賢岳。手前は土石流で埋まった家屋

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