特別支援学校の北松分校を開校へ 田平中に小中学部

 長崎県教委は25日、2021年度に長崎県立佐世保特別支援学校(佐世保市)の北松分校を平戸市内に開校すると明らかにした。新たな校舎は整備せず、小・中学部を平戸市立田平中の中に設置し、平戸市内に既にある佐世保特別支援学校高等部北松分教室と組織的に統合して分校とする。

 定例長崎県議会文教厚生委員会で池田孝之県特別支援教育課長が報告した。

 現在平戸、松浦両市には特別支援学校がない。佐世保特別支援学校高等部の北松分教室は現在、北松農業高(平戸市田平町)の中にあるが、平戸、松浦両市に住む小中学生が特別支援を必要とした場合、市外の特別支援学校まで通学するか、平戸、松浦両市内の小中学校の特別支援教室に通うかのどちらかを選択する必要があった。

 これまで平戸、松浦両市は特別支援学校の小・中学部をつくるよう長崎県教委に要望。また昨年12月、平戸、松浦両市が市外の特別支援学校に子どもを通わせる保護者らにアンケートをした結果、平戸市に小・中学部ができたら34人が入学を希望すると回答した。これらを受けて長崎県教委が入学見込み数などを調査した結果、初年度で20人以上の入学が見込まれると判断し、平戸市立田平中の中に設置することを決めた。

 平戸市教委は「遠距離の通学や、特別支援学校への入学断念を余儀なくされた子どもたちの状況が解消される。ありがたい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社