2015-16シーズンに奇跡のプレミアリーグ優勝を成し遂げたレスター・シティ。
2010年にクラブを買収した功労者であるオーナーのヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏が墜落事故によって亡くなった。
ここでは、『sportskeeda』による「スリヴァッダナプラバ氏についてレスターファンが忘れない5つのこと」を見てみたい。
ジェイミー・ヴァーディの契約問題を解決
2016年夏、アーセン・ヴェンゲル監督率いるアーセナルから関心を寄せられていたヴァーディ。この快足FWは24ゴールを決めて、チームを歴史的優勝に導いていた。
アーセナルは契約延長を保留していたヴァーディの状況を利用し、2200万ポンドに設定されていたリリース条項を画策。
ヴィチャイはスタジアム内の個室で自分と会ってくれないかとヴァーディに頼んだ。そして、クラブの財政状況とチーム内での彼の重要度を説いた。結果、ヴァーディと代理人は残留に合意して契約を延長。
また、同じ年に行われたヴァーディの結婚式にヴィチャイは出席している。このオーナーは選手たちと近い関係を築き、それはクラブの推進力になっていた。
誕生日にファンにビールとドーナツを無料プレゼント。シーズンチケットまで…
2016年4月のサウサンプトン戦、ヴィチャイの誕生日にレスターのシーズンチケットホルダーたちには無償でビールor水、ドーナツが振る舞われた。
2部時代の2014年には、キング・パワー・スタジアムの観客全員にシンハービールが支給されたこともある。
また、60歳の誕生日には、地元の裕福でない人々に60枚のシーズンチケットを手渡した。サポーターたちに見せた気前の良さは本当にあっぱれなものだった。
プレミア優勝で全選手にBMWを支給
2015-16シーズン、レスターは5000倍のオッズを打ち破る。2位アーセナルに勝点差10ポイントをつけてプレミアリーグを制したのだ。
クラブは9300万ポンド(133億円)もの賞金を獲得。ヴィチャイは選手たちのやる気を保つために資金の一部を投下することをためらわなかった。
およそ200万ポンド(2.8億円)を費やし、1台10.5万ポンド(1500万円)の『BMW i8』を選手19人に支給したのだ。
ちなみに、すでに移籍していたエンゴロ・カンテら4人はBMWを逃している。
選手獲得にさえ資金投下を渋るオーナーもいるなかで、ヴィチャイは選手たちを報いるために驚くべきことをやった。
予算1億ポンドを超えるスタジアム拡張&施設整備案
今年4月、父ヴィチャイの誕生日を祝うなかで副会長のアイヤワット・スリヴァッダナプラバ氏は大志を明かした。
キング・パワー・スタジアムの拡張、よりよい施設と試合体験をファンに提供するという案だ。
『Leicester Mercury』によれば、「スタジアムの拡張はまだ計画の初期段階にある。練習場のほうにプライオリティがあるようで、一部の反対派住民について取り組むべきいくつかの作業がある」とのこと。
1億ポンドを支払ってレスターを負債から救い、スタジアムを買戻し、成功をもたらした
2010年、深刻な財政難によって、ホームスタジアムを失う危機に瀕していたレスター。
チームは2部で喘いでおり、オーナー変更を希望するサポーターたちは苛立ちを募らせていた。
『キング・パワー』の会長ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏が興味を示し、3900万ポンドでクラブを買収。さらに、スタジアムを買戻し、キング・パワー・スタジアムと名付けた。
それから8年が経ち、レスターは3.5億ポンドの価値があると算定されるまでになった。
このクラブは日に日に安定していった。オーナー着任から4年が経った2014年に2部で優勝してプレミアに昇格。3年以外にトップ5入りを目指すと宣言するも、多くのサッカーファンからは笑い飛ばされた。
だが、2015年にクラウディオ・ラニエリ監督を招聘すると、プレミアリーグで優勝を果たす。レスターを愛する者たちはこの出来事を愛おしさととも記憶することだろう。
翌シーズンには初参戦したUEFAチャンピオンズリーグで準々決勝に進出。ヴィチャイはピッチ内外の貢献において、レスターのキングだった。