フリーエージェント市場 クオリファイング・オファーの動向は?

各球団はフリーエージェントとなる選手に対してクオリファイング・オファーを提示するか否かを日本時間11月3日午前6時までに決めなければならない。今オフの金額は1790万ドルであり、クオリファイング・オファーを提示された選手には受諾・拒否の決断までに10日間が与えられる。また、クオリファイング・オファーを提示されて拒否した選手を他球団が獲得した場合、次年度のドラフト会議において補償が発生する。ここでは今オフのクオリファイング・オファーの動向を確認する。

過去を振り返ってみると、クオリファイング・オファーを提示された選手の大半がオファーを拒否しており、クオリファイング・オファーに関するドラマはほとんど生まれていない。過去6年間でクオリファイング・オファーを提示されて受諾したのは、ブレット・アンダーソン、ジェレミー・ヘリクソン、ニール・ウォーカー、コルビー・ラスマス、マット・ウィータースの5人だけだ。また、昨オフはクオリファイング・オファーを提示されて拒否したアレックス・カッブ、マイク・ムスターカス、グレッグ・ホランド、ランス・リンらが新天地探しに苦戦。今オフはどのような展開になるのだろうか。

まず、今季途中でトレードされた選手はクオリファイング・オファーの対象とはならない。マニー・マチャド、アンドリュー・マカッチェン、ザック・ブリットン、ネイサン・イバルディ、ジョシュ・ドナルドソン、ブライアン・ドージャー、J.A.ハップ、ウィルソン・ラモスといった選手たちがこれに該当する。また、過去にクオリファイング・オファーを提示されたことのある選手も対象とはならないため、ネルソン・クルーズ、デービッド・ロバートソン、ダニエル・マーフィーらも除外される。これらの選手を獲得してもドラフト会議における補償が発生しないため、人気物件となる可能性が高い。

今オフ、クオリファイング・オファーを提示される可能性が高いと見られているのは、ブライス・ハーパー、パトリック・コービン、クレイグ・キンブレル、ダラス・カイケル、チャーリー・モートン、A.J.ポロック、ヤスマニ・グランダル、マイケル・ブラントリーといった有力選手たちだ。彼らはクオリファイング・オファーを拒否し、フリーエージェント市場に打って出ることになるだろう。ただし、モートンについてはアストロズとの再契約が有力視されている。

アストロズがマーウィン・ゴンザレスにクオリファイング・オファーを提示しないことを決定したように、必ずしもすべての有力選手に対してオファーが提示されるわけではない。アンドリュー・ミラー、柳賢振(リュ・ヒョンジン)、ジェッド・ラウリー、アダム・オッタビーノらに対しては、オファーを提示するかどうか、元所属球団は頭を悩ませることになりそうだ。選手側には年俸1790万ドルのオファーを受け入れて1年後に再びフリーエージェント市場にアタックするという選択肢もあるだけに、当落線上の選手については各球団は慎重な判断を迫られることになるだろう。

© MLB Advanced Media, LP.