親和銀行 準優勝 西日本軟式野球選手権  三菱重工長崎は準決勝敗退

 軟式野球の第22回西日本選手権最終日は5日、諫早市第1野球場などで準決勝、決勝が行われ、長崎県勢は親和銀行が決勝で佐川印刷(京都)に1-2で競り負けたが、準優勝と健闘した。三菱重工長崎は準決勝で佐川印刷に0-6で敗れた。

 親和銀行は準決勝で大阪シティ信用金庫を1-0で下して決勝に進出。決勝は初回に磯が左中間二塁打で好機をつくると、山口の中前適時打で先制した。その後はエース岡部が準決勝に続いて好投。ただ、打線が計11安打を放ちながら追加点を奪えず、九回2死二塁から2者連続で長打を浴びてサヨナラ負けした。

 三菱重工長崎は準決勝で打線のつながりを欠いた。四回に4失点し、六、七回にも1点ずつ奪われて引き離された。

 ■親和銀行の岡部好投/頂点あと一歩/来年のリベンジ誓う

 つかみかけた初の栄冠が、指の間を擦り抜けていった。決勝で逆転サヨナラ負けを喫した親和銀行。九回、あとアウト一つの場面からのあっという間の悲劇に、チームは相手の歓喜の輪をぼうぜんと見つめるしかなかった。

 エース岡部が準決勝と合わせて17イニング連続でスコアボードに「0」を並べた。準決勝会場の長崎市から諫早市に移動して2時間以上空く連投は「初めて」。そんな中、終始小気味よいテンポでリズムをつくった。

 球持ちがいいフォームから繰り出す直球は打者の手元で伸び、今年から使用球が硬めになったことで「落ちるボールが良くなった」とチェンジアップでも凡打の山を築いた。だが、九回は「詰めが甘かった」。相手の5、6番に低めの直球とスライダーを相次いで外野の間へ運ばれた。

 悔しい敗戦にはなったが、打線も11安打と次々に快音を響かせるなど、秋晴れの下で「SHINWA BANK」のユニホームは何度も躍動した。応援に駆けつけた行員や家族らの前で、地元開催の意地を見せる堂々の準Vだった。

 桑原監督は「まだ若いチーム。もうひと頑張りしなさいということだと思う。野球をさせてもらえる感謝を忘れず、また上を目指したい」、岡部は「来年リベンジ。まずは同じ舞台に立てるように、しっかり毎日を過ごしていく」と前を向いた。

 ■三菱重工長崎/序盤の好機逃す

 三菱重工長崎は4強で大会を終えた。中村監督は「普段、追いつけ追い越せとやっている親和銀行と、決勝で戦いたかった。まだまだ力不足ということ」と唇をかんだ。

 中村監督が「“たられば”が多かった」と嘆いたように、準決勝は序盤の好機を逸して相手に流れを渡した。二回に無死から富岡、松村の連打で先制機をつくったが、続く犠打が併殺となり、三回は楠本の右前打などの後に再びバント失敗。主将の植杉も「先に点を取っていれば」と、直後に4失点して後手に回った試合展開を悔やんだ。

 今季は5月の国体県選考会を制した後、6月の天皇賜杯県予選と10月の県選手権で親和銀行に敗戦。そのライバルは天皇賜杯で40年ぶりの4強に入り、今回も一つ上の成績を残した。植杉は「いい刺激になる。今年の反省を生かして来年は負けない」と巻き返しを誓っていた。

【決勝、親和銀行-佐川印刷】準決勝と合わせて17回2/3を2失点と好投した親和銀行のエース岡部=諫早市第1野球場
【準決勝、佐川印刷-三菱重工長崎】2回裏三菱重工長崎無死、富岡が左前打を放つ=諫早市第1野球場

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