「核なき世界 展望を」 地球市民集会16日開幕 朝長氏会見

 国内外の核軍縮専門家らが集まり、核廃絶への道筋を考える第6回「核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」が16日、3日間の日程で長崎市で開幕する。本県開催は5年ぶり。実行委の朝長万左男委員長(日赤長崎原爆病院名誉院長)は9日、同市役所で記者会見し「核なき世界に向けて具体的な展望を見いだせるかが集会の大きなポイントだ」と述べた。
 集会の全体テーマは「核兵器のない世界をこの手に-禁止条約とICANノーベル平和賞を力に」。市平和会館(平野町)と隣接の長崎原爆資料館を会場に、国内外の核軍縮専門家ら約30人や学生、被爆者らが四つの分科会に分かれて意見を交わす。最終日に採択する「長崎アピール」を安倍晋三首相宛てに提出する。
 このうち、「次世代とつくる核なき世界」をテーマにした分科会では、県内学生らが、国内の学生ら約1200人に実施した核廃絶や平和活動に関する意識調査結果を発表。平和活動推進のアイデアを来場者と考える。担当する長崎大4年、光岡華子さん(22)は「平和活動に関わって『楽しい』『良かった』と思えるように価値観を変えたい」と、若者の来場を呼び掛けている。
 ほかの三つの分科会のテーマは「朝鮮半島の平和と非核化の進展」「被爆の継承」「NPT体制と核兵器禁止条約の役割」。いずれも無料で傍聴できる。期間中はパネル展や非政府組織(NGO)の活動紹介コーナーなどもある。
 同市では14、15両日に核軍縮を巡る「賢人会議」(外務省主催)も開かれる。

地球市民集会の意義を語る朝長委員長=長崎市役所

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