早いもので2020年東京五輪の開幕まで2年を切った。
開催国の日本は予選を免除されているため、結果に左右されず腰を据えて強化に努めることができるが、一方で「個人の活躍度」に焦点が当たる可能性もあり、18名の枠を巡る争いはかえって熾烈なものとなるかもしれない。
今回は、そんな厳しい競争を勝ち抜き、たった一人にしか与えられないエースナンバー「10番」を背負うかもしれない選手たちを特集してみよう。
三好康児
小柄な左利きのゲームメイカー。タイプがやや被ることから久保建英の影に隠れがちだが、彼もまた10代の頃から大きな期待を集め、今季、レンタル先の北海道コンサドーレ札幌で花開いた。
五輪チームには昨年の発足以降、トゥーロンやアジア大会など全ての主要な大会で「10番」を付けており、現時点ではその“栄光”に最も近い選手といえる。
前回のリオ五輪で10番を背負った中島翔哉同様、個の力としては申し分ないものを持っているだけに、きっかけを掴んでさらなる飛躍を狙いたい。
安部裕葵
鹿島アントラーズで売り出し中のサイドアタッカーも候補の一人だ。
タイプ的には中島翔哉をよりドリブルに特化させたような選手だが、AFC U-19選手権では日本の「10番」を背負い、U-20ワールドカップ出場権の獲得に貢献。その目的を達成すると大会途中に離脱し、ACL決勝のペルセポリス戦に先発出場してアジア制覇の一員となった。
まだ19歳だが実績は五輪世代で屈指のものがある。現在30番を付けている鹿島での来季の背番号も注目だ。
堂安律
森保監督は先日の会見で「A代表で活動しながら東京五輪にかかわっていく(ように)」と話したが、その筆頭格となるのが堂安だろう。
先月のウルグアイ戦で早くもA代表初ゴールも記録した20歳は、まだ五輪チームでプレーした経験を持たないものの、順当にいけば本大会でエースとなる可能性が極めて高い。
昨年のU-20ワールドカップやフローニンゲンでは7番、A代表では21番を付けているが、東京五輪では何番を付けるだろうか。
久保建英
「日本のメッシ」として世界から脚光を浴び、幼少期からサッカーファンの期待を一身に背負う久保。
しかし、日本代表では2017年U-20ワールドカップで20番、同U-17ワールドカップで7番、先日のU-19選手権で9番を付けており、現在所属する横浜F・マリノスでは15番と、年齢的なものもあるが意外にもこれまで「10番」との縁はなかった。
それでも五輪代表の「10番」は次代の日本サッカー界を背負って立つものにこそ相応しい番号であり、であれば彼ほど適役はいるだろうか。
本田圭佑
不可能を可能にするこの男が、大方の予想を覆して「10番」を背負うかもしれない。
今夏のワールドカップ後、日本代表から退くことを表明した本田であるが、一方で東京で開催される五輪にオーバーエイジで出場を目指すことを明らかにしている。
代表では香川真司の存在もあって長く「4番」を付けそれが定着した。しかし五輪で待望の「10番」を背負い、それを選手キャリアの“集大成”とする可能性もゼロではないはずだ。