名三塁手・ベルトレイが現役引退を表明 将来の殿堂入り濃厚

日本時間11月21日、レンジャーズのエイドリアン・ベルトレイ三塁手が今季限りでの現役引退を表明した。ベルトレイは球団がリリースした声明文のなかで「熟慮とたくさんの眠れない夜を重ねた結果、人生を通して取り組んできたこと、つまり、野球という私が愛するゲームをプレイすることから引退するという決断をしました」とコメント。メジャーでの21シーズン目、レンジャーズでの8シーズン目を終えたベルトレイは、シーズン終了時に今季限りでの現役引退の可能性があることを示唆していたが、家族との相談を経て、最終的な決断を下した。

ベルトレイは歴代14位となる通算2933試合に出場し、同16位の3166安打、同24位の1707打点、同30位の477本塁打を記録。3000安打と400本塁打を達成した史上唯一の三塁手であるだけでなく、通算安打数と通算打点数は三塁手歴代最多、通算本塁打数はマイク・シュミット(548本塁打)とエディ・マシューズ(512本塁打)に次ぐ三塁手歴代3位の数字である。また、三塁守備の名手としても知られており、ゴールドグラブ賞を5度、プラチナグラブ賞を2度獲得。将来的なアメリカ野球殿堂入りが有力視されている。

レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは「エイドリアンは私がともに仕事をする機会を得た人物のなかでベストの1人だ。彼は殿堂入りに値する選手であり、夫であり、父親だ。彼はレンジャーズの球団組織が新たなレベルに達するのを手助けしてくれたよ」とベルトレイの功績を称え、名三塁手の引退を惜しんだ。

ベルトレイはもう一度、ワールドシリーズでプレイすることを望んでいたが、タイミングの悪いことに、レンジャーズは2年連続で負け越しており、再建モードに突入している。ドジャース、マリナーズ、レッドソックスでもプレイ経験があるベルトレイだが、レンジャーズ以外でプレイすることには興味を示しておらず、チームが再建に向けて若返りを進めていることもベルトレイの決断を後押ししたのかもしれない。

ベルトレイは現役期間中、レンジャーズで自己最長の8シーズンにわたってプレイしており、殿堂入りの際にはレンジャーズの帽子を選択する可能性が高い。もしベルトレイの殿堂入りが実現すれば、レンジャーズの選手としてはノーラン・ライアンとイバン・ロドリゲスについで史上3人目となる。

1994年7月7日(現地時間)にドジャースと契約し、19歳のとき(1998年)にメジャーデビューを果たしてから20年。アメリカ国外出身選手としては史上最多の3166安打を放ち、誰からも愛された名三塁手が、惜しまれながらグラウンドを去る。

© MLB Advanced Media, LP.