トライアンフエンジン搭載のMoto2マシンがへレスに初集結。公式テスト初日、カレックス勢が上位占める

 2019年シーズンに向けたMoto2クラスのオフィシャルテストが11月23日、スペイン・ヘレスのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトにて初日を迎えた。2019年シーズン、トライアンフのワンメイクに変更となるMoto2エンジン。この日、トライアンフのMoto2エンジンを搭載した各チームのマシンが、へレスサーキットに初集結した。

 11月23~25日の3日間の予定でスタートしたMoto2のオフィシャルテスト。今季までMoto2で使用されていたホンダの4気筒600ccエンジンに替わって搭載されるのは、トライアンフのストリートトリプルRSをベースに開発された3気筒765ccエンジンだ。さらに、2019年シーズンよりニエッティ・マレリがECUサプライヤーを務めるなど、Moto2は新たな時代を迎えている。

 迎えた初日、アレックス・マルケス(カレックス)やロレンソ・バルダッサーリ(カレックス)、ルカ・マリーニ(カレックス)、日本人ライダーの長島哲太(カレックス)など2019年も引き続きMoto2に参戦するライダーに加え、2018年Moto3チャンピオンのホルヘ・マルティン(KTM)、さらには来季43年ぶりにロードレース世界選手権に復帰するMVアグスタのライダー2名などを加えた30名が走行を行った。

 なお、AMERICAN TEAM(アメリカン・チーム)のジョー・ロバーツとイケル・レクオーナは、今回のテストに参加していない。

 初日セッションは1回目と4回目が80分、2回目と3回目が85分と合計4セッションで行われたが、午前中は前夜に降った雨のためダンプコンディションでスタート。午後に向けて路面コンディションは回復していく中、各ライダーはニューマシンのシェイクダウンとセットアップを進めた。

 そんななか、初日を総合トップで終えたのはバルダッサーリで、トップタイムは1分42秒203。バルダッサーリはへレスサーキットのレコードホルダーでもあり、参考までに2018年、自身が記録したファステストラップは1分41秒890、サーキットレコードは1分42秒890だった。ともにホンダエンジンで記録したタイムだ。

 2番手にはバレンティーノ・ロッシの義弟でMoto2フル参戦4年目となるマリーニ、3番手にはサム・ロウズ(カレックス)とカレックス勢が続いた。

 イデミツ・ホンダ・チームアジアからSAG TEAM(SAGチーム)に移籍し、心機一転のシーズンを迎える長島は、セッション4回目の3周目にトップからコンマ751秒差遅れの1分42秒954をマークしセッション8番手。これが自己ベストとなり総合11番手で初日を終えている。

Moto3王者のホルヘ・マルティンはクラッシュにより負傷してしまった

 また、Moto2ルーキーの2018年Moto3チャンピオン、マルティンは、セッション1回目で4番手につけるなどコンスタントに好タイムをマークしていたが、転倒を喫し、左上腕、右足の甲と小指の骨折が確認された。マルティンは、初日総合15番手だった。

来季43年ぶりにロードレース世界選手権の舞台に復帰するMVアグスタのマシンを駆るドミニク・エガーター

 以下、Moto2ヘレスオフィシャルテスト1日目タイム結果。

■Moto2ヘレスオフィシャルテスト1日目タイム結果

Pos. No. Rider Team Motorcycle Time In Session

1 7 L.バルダッサーリ PONS HP40 カレックス 1’42.203 Session 4

2 10 L.マリーニ SKY RACING TEAM VR46 カレックス 1’42.346 Session 3

3 22 S.ロウズ FEDERAL OIL GRESINI Moto2 カレックス 1’42.485 Session 3

4 40 A.フェルナンデス PONS HP40 カレックス 1’42.723 Session 4

5 87 R.ガードナー SAG TEAM カレックス 1’42.736 Session 4

6 23 M.シュロッター DYNAVOLT INTACT GP カレックス 1’42.743 Session 4

7 11 N.ブレガ SKY RACING TEAM VR46 カレックス 1’42.769 Session 3

8 41 B.ビンダー RED BULL KTM AJO KTM 1’42.777 Session 4

9 73 A.マルケス EG 0,0 MARC VDS カレックス 1’42.818 Session 3

10 9 J.ナバーロ SPEED UP RACING スピード・アップ 1’42.881 Session 4

11 45 長島哲太 SAG TEAM カレックス 1’42.954 Session 4

12 12 T.ルティ DYNAVOLT INTACT GP カレックス 1’43.238 Session 4

13 5 A.ロカテッリ ITALTRANS RACING TEAM カレックス 1’43.295 Session 3

14 24 S.コルシ TASCA RACING SCUDERIA Moto2 カレックス 1’43.344 Session 4

15 88 J.マルティン RED BULL KTM AJO KTM 1’43.361 Session 3

16 97 X.ビエルゲ EG 0,0 MARC VDS カレックス 1’43.368 Session 3

17 20 D.エッキー・プラタマ IDEMITSU HONDA TEAM ASIA ホンダ 1’43.559 Session 4

18 21 F.ディ・ジャンアントニオ SPEED UP RACING スピード・アップ 1’43.697 Session 3

19 33 E.バスティアニーニ ITALTRANS RACING TEAM カレックス 1’43.737 Session 3

20 89 K.イダム・パウィ PETRONAS SPRINTA RACING カレックス 1’43.816 Session 4

21 77 D.エガーター FORWARD RACING TEAM MVアグスタ 1’43.979 Session 4

22 62 S.マンジ FORWARD RACING TEAM MVアグスタ 1’44.004 Session 3

23 3 L.トゥロヴィッチ KIEFER RACING KTM 1’44.009 Session 4

24 4 S.オデンダール NTS RW RACING GP NTS 1’44.045 Session 3

25 96 J.ディクソン ANGEL NIETO TEAM KTM 1’44.401 Session 4

26 72 M.ベゼッチ RED BULL KTM TECH 3 KTM 1’44.428 Session 4

27 64 B.ベンスナイダー NTS RW RACING GP NTS 1’44.564 Session 4

28 35 S.チャントラ IDEMITSU HONDA TEAM ASIA カレックス 1’44.636 Session 4

29 65 F.エッテル RED BULL KTM TECH 3 KTM 1’45.416 Session 4

30 18 X.カルデルス ANGEL NIETO TEAM KTM 1’45.686 Session 4

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