外野に空きがないヤンキース それでもハーパーを獲得すべき?

今オフの移籍市場における最大の目玉であるブライス・ハーパー。総額3~4億ドルという超大型の契約規模が予想されているが、以前からハーパー獲得の大本命と見られていたヤンキースは、昨年のオフシーズンにマーリンズとの大型トレードを成立させてジャンカルロ・スタントンを獲得しており、外野に空きがない状態である。しかし、MLB公式サイトのジム・デュケットは、「ハーパーのような選手が獲得可能であるならば、空きポジションのことは忘れて獲得に動くべきである」と主張する。

ヤンキースは今オフ、正左翼手のブレット・ガードナーと再契約を結んでおり、左翼にガードナー、中堅にアーロン・ヒックス、右翼と指名打者を兼任する形でスタントンとアーロン・ジャッジという布陣でレギュラーが固まっている。一部ではヤンキースがハーパーを一塁手として獲得する可能性が取り沙汰されているが、デュケットはハーパーの一塁転向には懐疑的だ。むしろ、現有戦力をトレードしてハーパーのポジションを空けるのが現実的な選択肢であると考えている。

1つ目の選択肢は正中堅手のヒックスをトレードで放出することだ。今オフの移籍市場でヒックスを上回るクオリティの中堅手はA.J.ポロックくらいしか見当たらず、ヒックスは人気物件となる可能性を秘めている。ヒックスを放出すれば、ガードナーを左翼から中堅に回し、スタントンとジャッジを左翼と指名打者で併用することによって、ハーパーのために右翼のポジションを空けることができる。

2つ目の選択肢はガードナーを控えに回してしまうことだ。控えとしてはやや高価な戦力となってしまうものの、これにより左翼が空き、スタントンとジャッジを右翼から左翼に移してハーパーのために右翼を空けることができる。この場合、クリント・フレイジャーやジャコビー・エルズベリーの出番が完全になくなってしまうため、両者のトレード話が浮上することになるだろう。

ジャッジ、スタントン、ハーパーが名を連ねる豪華なラインナップは実現するのか。ヤンキースの今後の動きには、球界から大きな注目が集まっている。

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