ジャイアンツがエース左腕・バムガーナーのトレードを模索中

ドジャースのGMを務めていたファーハン・ザイディが野球部門社長に就任してからおよそ3週間。チーム再建を目指すジャイアンツが大きく動き始めようとしている。複数の関係者が伝えたところによると、ザイディはチーム再建の一環として来季終了後にフリーエージェントとなるエース左腕、マディソン・バムガーナーの放出を検討しているようだ。

2010年、2012年、2014年と3度のワールドシリーズ制覇を経験しているバムガーナーは、2011年から6年連続で13勝以上・防御率3.37以下・200投球回以上・190奪三振以上をマークしたように、球界を代表する先発左腕としてジャイアンツを支えてきた。しかし、ここ2シーズンは故障の影響により2年連続で130投球回未満に終わり、合計10勝どまり。来季終了後にフリーエージェントとなり、チーム再建が完了する頃にはチームにいない可能性が高いバムガーナーの放出が検討されるのは自然な流れと言える。

すでにジャイアンツとバムガーナー獲得を希望するチームの間では初歩的な段階の話し合いが行われており、ブリュワーズとフィリーズをバムガーナー獲得の有力候補に挙げる関係者が多い。また、ブレーブスもバムガーナー獲得に興味を示しているようだ。

ザイディはバムガーナー放出にあたり、エース級の投手に成長する可能性を秘めた有望株を少なくとも1人獲得することを希望している。フィリーズはチーム内のトップ・プロスペクトであるシクスト・サンチェスの放出を拒む可能性もあるが、その場合には今年7月にマニー・マチャドのトレード交渉を行った際、フィリーズが放出を準備していたとされるアドニス・メディーナが交換要員の1人となるだろう。一方、ザイディはリーグ優勝決定シリーズでブリュワーズと対戦した際に、ブランドン・ウッドラフとコービン・バーンズの両右腕を高く評価しており、ブリュワーズとのトレード交渉を行う場合には、この両右腕の獲得を希望する可能性もある。また、ブレーブスは球界でも有数の若手有望投手の宝庫であり、ザイディにとっては理想的なトレード相手である。

チームの黄金期を支えてきたバムガーナーだが、ジャイアンツの一員として過ごす時間は着実に終わりに近付いている。来季開幕時、バムガーナーはいったいどのチームのユニフォームを着てグラウンドに立っているのだろうか。

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