ピンチ乗り越えた「ねるねるねるね」

 あのCMの魔女は今…  長寿の秘密(3)

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関かおり

共同通信

関かおり

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2013年入社。名古屋支社、静岡支局、浜松分室を経て47ニュース編集部に。将来の夢は忍者。

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 テーレッテレー! 練っておいしいねるねるねーるね!

 怪しげな魔女が登場するCMでおなじみ、クラシエフーズ(東京都港区)の「ねるねるねるね」。粉末と水を混ぜ合わせることで色や形が変わる「知育菓子」として同社が売り出しているシリーズの代表格だ。知育菓子のラインナップは現在4シリーズ計22種類。ねるねるねるねの売り上げが右肩下がりだった冬の時代を乗り越え、シリーズ全体で年間約50億円を売り上げている。

 同社が初めて知育菓子「プカポン」を発売したのは1979年。水に溶かすと色が変わり、シュワシュワと泡が発生してラムネが浮いてくる商品だった。粉末を作る設備とプカポンをはじめとした知育菓子の技術を応用し、86年に「ねるねるねるね」を発売した。魔女のCMのインパクトや、当時は類似商品がなかったことなどから、たちまちヒット商品となった。

 初代のメロン味からレギュラーをブドウ味とソーダ味に変更し、2004年には新たなシリーズ「ポッピンクッキン」も売り出した。付属のキットを使って粉を練り合わせ、成形して食品サンプルのようなケーキや寿司を作ることができる。小さなトレイや食器もついており、細部までしっかり作り込まれている。ねるねるねるねは理科の実験のような要素が強く、作業工程も単純だったが、新シリーズはさらに上の年代の子どもがごっこ遊びやおままごとに使えるようにし、商品ラインナップを充実させた。

 しかし、発売当初に爆発的な人気を集めていた「ねるねるねるね」の売り上げは徐々に下降に転じる。原因の一つは「色が変わるなんて、体に悪いものが入っているのでは」という保護者の不安。そして「子どもにとっては今ある商品が全て。ロングヒットしているから売れる、は通用しない」という現実だった。

 そこで2010年、ねるねるねるねは「怪しい路線」を一気に変更した。パッケージに色が変わる仕組みなど「ネタばらし」を表記。保存料や合成着色料を使っていないことも目立つように示した。またそれまで「自分で作って確かめられるように」と完成品をイラストで表現していたが、今の子どものニーズに合わせて写真を使うように。そして同時に、20年ほどタレントやキャラクターを使っていたCMに、あの魔女を復活させた。

 今の魔女は3代目。「テーレッテレー!」という印象的な効果音や「練っておいしいねるねるねーるね!」という決めぜりふは変わらない。旧来の「怪しい路線」の売り方の1つではあるが、「ねるねるねるねといえば魔女」という消費者に浸透したイメージを「財産」ととらえ、再び採用したという。リニューアル後、売り上げはV字回復した。

ねるねるねるね教室

 2016年からは社員が小学校に赴き、理科の授業や保護者の参観日などの場でねるねるねるねを使って実験をする取り組みも始めた。材料の性質に反応して色が変わるねるねるねるねの特徴を生かし、小学生の理科離れを防ぐのが目的で、年間30校ほどで実施している。親世代にもなじみ深い商品なので、「懐かしい」と声が上がり、好評だという。

 親世代が食べていたころから、味は時代に合わせて変化しているものの「粉と水を混ぜて練る」という点は変わらない。そのシンプルさが最大の武器だ。同社の担当者は「いつの時代の子どもにとっても『自分で作って食べられる』ということの楽しさは変わらないのではないか」と分析する。

 一方で、子どものニーズは多様化している。細かいものをちまちま作るのが好きな子どももいれば、簡単に作れてすぐに食べられるものが好きな子どももいる。担当者は今後の知育菓子シリーズ全体の販売方針について「飽きられないようにどんどん商品を入れ替え、どんな子どもも楽しめるよう幅広いラインナップで展開したい」と語った。

 おまけ 知育菓子、作ってみた

 今の売れ筋の知育菓子は「つかめる!ふしぎ玉」。手順通りに粉に水を加えていくと、ぷるぷるした玉ができるらしい。ハンバーガーやケーキの形のお菓子を作るキットは難しそうだけど、これなら簡単だ。しょせんは子ども向けだし、ねるねるねるねは小さいときにたくさん食べたし、できないはずがない。

 おっと! 水を入れすぎた。まぁちょっとくらい大丈夫。お菓子は甘すぎてもよくないし。

 あれ? なんか説明書きについている写真と違うかも…いや、でもたぶん大丈夫。
 でも、あれ…? やっぱりなんか違わない…?

 つかめないし、そもそも玉にならなかった。子ども向けだからといって甘く見ていると意外に難しい。クラシエフーズの担当者は「説明通りにやればちゃんとできます」と話している。水の分量は守りましょう。

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